転職での「最終面接お見送り」が増えている?合格率を高めるための4つの心得

コロナ禍以降、売り手と買い手がほぼ横ばいになっている転職マーケットですが、どちらかと言えば売り手市場の状況が続いています。
企業は今後の景気変動に備えて1人でも多くの優秀人材を採用すべく、さまざまな施策に取り組んでいます。
その1つが、選考プロセスの早期化。
選考結果をスピーディーに候補者へ伝えるだけでなく、選考回数そのものを減らし、忙しい候補者でも選考に取り組めるよう配慮する企業が増えてきています。
各社採用意欲が高いこともあり、以前に比べて最終面接までたどりつける可能性は高まっている印象です。
そんなマーケット環境もあり、「最終面接って志向のすり合わせ程度のものですよね?」という言葉をよく耳にしますが、これは大きな間違いです。
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転職での最終面接合格率は100%ではない!「最終面接後、内定お見送り」が増えている?
転職での最終面接合格率は100%ではありません。企業は採用すること自体が目的ではなく、その後数年にわたって会社の成長に貢献し続けてくださる人材を求めています。
(人材採用および育成の費用対効果としては、2~3年勤めてようやく単年度黒字。その後累計黒字化していくイメージでしょうか)
そのため、最終面接で厳しいジャッジがされ「惜しくもお見送り…」となってしまうケースも実は増えているのです。
それでは、見事内定を勝ち取るためにはどのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
以下に最終面接の位置づけの解説と、内定獲得のための“4つの心得”をご紹介します。
転職における最終面接の位置づけは「最終ジャッジ」のため、気持ちよく「内定」と言わせる準備が必要
1次面接・2次面接など、最終面接に至るまでの選考では、面接官は判断に悩むと“選考通過”とし、次の面接官にジャッジを委ねるのが一般的です。
しかし、最終面接では次にジャッジを繰り越せないため、判断に悩んだ場合は“お見送り”となってしまいます。
そのため、最終面接では面接官に気持ちよく“内定”と言い切らせるための準備が必要となります。
また最終面接の傾向としては、スキルや専門性を見られるのはもちろんですが、一般的な面接内容をより“深く”問われることが想定されます。
(スキルや専門性は、それまでの選考でより現場に近い人間がチェックしているため)
- 自己紹介(職務経歴)
- アピールポイントは何か?
- なぜ転職を考えているのか?
- なぜこの職種を志望するのか?
- なぜ弊社なのか?他社ではだめなのか?(志望動機)
- 入社後、どのようなキャリアを歩みたいか?
上記のような質問の回答に対して、「具体的には?」「●●ではだめなのですか?」などの深掘りをされても対応できる様、回答の【深み】が重要となります。
転職における最終面接の4つの心得と対策:「一貫性」「相手に合わせたコミュニケーション」「逆質問の準備」「覚悟」
それでは、最終面接を通過し見事内定を勝ち取るためには、どのような点に気をつけるべきでしょうか。ここでは、4つの心得をご紹介します。
1. 一貫性
最終面接に至るまでの選考の中で、これまで面接官からさまざまな質問がされたかと思います。
これまでどのような質問をされ、ご自身がどのように回答したかを事細かに覚えていますか?
少しでも不安を感じられた際には、これまでの選考の流れをぜひ一度棚卸ししてみてください。
面接官は、質問した内容やこれまでの回答をしっかりと記録しています。また、思いつきで回答をしていないかをチェックするために、あえて同じ質問をすることも多いものです。
ポイントは、答えに“一貫性”があるかどうか。一貫性とは言い換えれば“軸”。
ブレない軸を持つ人は、企業からも魅力的に映ります。友人やエージェント相手に語り、客観的に見て論理的かどうかもチェックしてもらうとその精度も高まるでしょうか。
2. 相手の視座・視点に合わせたコミュニケーションとマナー
最終面接では、社長や取締役といった会社・事業部をけん引する立場の方が面接官を務めます。
たとえば、面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれた時に、想定年収や有給消化率など目先の欲求に執着してしまうと面接官はガッカリします。
相手は会社や事業部のかじ取りをしている人間なので、質問の機会が得られた際には
- 今後のマーケット動向をどのように捉えているのか
- 競合他社と比較し、どのような点にプライドを持っているのか
- 競合と比較し、業界内でどのようなポジショニングを目指しているのか
- ビジョンを実現するために取り組むべき課題はどこにあるのか
など、相手の視座・視点に合わせて質問を投げかけることが重要です。
気の利いた質問ができれば「そうそう!」と会話が盛り上がりやすくなります。
そして何よりも、一企業の経営層とご自身のキャリアについて1時間もディスカッションできる機会はめったにありません。
最終面接を自身のキャリアを見直す有益な機会とするためにも、相手の視座・視点に合わせたコミュニケーションを心がけてみてください。
3. 入社後に社長・役員と話すチャンスは少ない、逆質問は入念な準備を
また、大企業であればあるほど、最終面接官である社長・役員で直接話を聞けるチャンスはその後あまりめぐってこないことが多いようです。そのため、逆質問は事前に入念に質問事項を用意しておきましょう。
この質問が少ないと相手に「私はこの会社に興味がありません」という印象を与える可能性もあります。そもそも、忙しい中お時間を頂いているわけですから、マナー違反とも言えるかもしれません。
4. 覚悟
面接官も人間です。最後の決め手は、
- 一緒に働きたいと思えるか?
- 厳しい環境に立たされた時に逃げないか?
- 育てたいと思えるか?
という人間性がカギとなります。
たとえば、経歴やスキルがほぼ同じ候補者が2人いたとします。
どちらもこれまで輝かしい実績を上げてきた実力者ではあるものの、採用枠は1つだけ。
このような時、あなたならどのような視点で判断を下しますか?
恐らく、入社への思いや覚悟といった“マインド面”を判断材料にするはずです。
最終面接では、あえて厳しい言葉を投げかけることで「覚悟」がチェックされます。
厳しい言葉に“任せてください!”と即答する準備はできていますか?
最後に:転職で最終面接に進むだけでは何も得られない。入念な準備で確実に内定獲得を
最終面接に進めば、内定まであと一歩。
しかし、最終面接に進むだけでは、まだ何もつかみ取っていません。内定を取ることで、初めて「選ばれる側」から「選ぶ側」になれるのです。
緊張することも多い最終面接、輝かしいネクストキャリアの選択肢を確実に勝ち取るために、入念な準備を進めましょう。
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今回の記事では、転職の最終面接に臨む時の4つの心得についてご紹介しました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひ一度アクシスコンサルティングにご相談ください。