プロのコンサル専門エージェントが教える!コンサル最終面接突破術

プロのコンサル専門エージェントが教える!コンサル最終面接突破術

コンサルティングファームの面接を一次・二次と突破すれば、いよいよ最終面接です。最終面接では、自分が志望しているファンクションのパートナーやディレクターレベルが面接官になるのが一般的です。ここまで駒を進めたということは、すでにスキルやポテンシャルに関しては高い評価を得ているはず。内定獲得までかなり近づいているのは確かです。だからといって油断は禁物。コンサルティングファームでは最終面接でも普通に見送られることはあります。
また、最終面接は入社後のアサインやキャリアパスの出発点としても重要な役割を担っています。目先の面接突破だけを考えて臨むと、入社後のアサインが自分の希望に合わず苦労してしまう、なんてことにもなりかねません。

今回は最終面接の突破はもちろん、入社後の活躍につなげるためのポイントについて、多くのコンサルタントの転職サポートを通して得られた情報をまとめました。

コンサルの最終面接のポイント

最終面接では、これまでの面接で確認されたコンサルスキルや経験の一貫性や、転職に対する意欲の高さやフィット感などをチェックします。まずは、コンサルの最終面接のポイントをおさえておきましょう。

最終面接と人事面談の選考要素におけるすみ分け

選考の最終段階では、人事部と条件面での最終的なすり合わせをするための人事面談がしばしば入り、コンサルファームによっては、この人事面談を”最終面接”と呼ぶ場合もあります。人事面談では、条件や就業制度がマッチしないなどの事情がない限り、不採用となる可能性はあまりないことが大半です。ご自身が受けられる最終面接が、選考要素の多い通常の最終面接なのか、そうではない人事面談のようなものなのか、事前に確認をしておくと良いでしょう。

以降においてはパートナーやディレクタークラスが面接官となる、選考の最終段階の面接を”最終面接”として解説します。

ディレクターやパートナークラスが面接官

最終面接の面接官は多くの場合、パートナーやディレクタークラスが担当します。パートナーやディレクタークラスの方は、一つの部門の人事裁量権を持ちます。基本的には、自分が志望する部門のトップに近い立ち位置の方が最終面接の面接官となり、管轄部門との適性をみるフェーズです。
このような最終面接では、能力の高さだけでなく、既存の自分の部下であるマネージャーやアソシエイトのうち、誰と組み合わせれば有効かなどの比較をしたり、部門内のバランスを考えたりしながら評価をつけていることが多い傾向です。

これまでの面接との一貫性や意欲の高さ

最終面接では、これまでの面接で候補者が話した経験やスキルの一貫性が改めてチェックされます。改めて、自分の言葉でこれまで経験した仕事や強みをしっかりとアピールしましょう。過去に面接で話した内容はその都度簡単にメモなどにまとめておいて、面接によって言っていることが変わらないように工夫することが得策です。その上で、入社に対する意欲の高さも確認されるポイントです。

入社後の案件へのマッチイメージ

最終面接となると面接官も候補者の入社後をイメージするため、候補者へビジョンや成長戦略、実際に入社した後の計画などを聞かれることが多くあります。入社後にどのようなプロジェクトに参加したいか、また将来のビジョンなどを明確にして、端的に伝えられるように、入社後の自分の姿を具体化した上で臨むのが得策です。
このような質問を通して、面接官は候補者が入社後にフィットする案件にはどういったものが適しているのか、という点についてもチェックしている可能性があります。つまり、最終面接でのやりとりは、入社後の最初の案件アサインに影響をおよぼす場合があるのです。
目の前の面接通過はもちろん大事ですが、そこだけに気を取られてしまうと、入社後に希望とは異なる領域のプロジェクトにアサインされる可能性があります。せっかく通過しても希望と異なる仕事を担当することになってしまうので、コンサルタントとしての希望やビジョンはしっかりと伝えましょう。

面接官の担当領域や過去のプロジェクト案件の把握

面接官の担当領域や過去担当されていたプロジェクト案件、専門性、人柄などを可能な範囲で事前に予習しておきましょう。パートナーやディレクタークラスになると。公式Webサイトにて自己紹介や事例紹介として掲載されているケースも少なくありません。
こういった情報を知っておくと面接において話がしやすくなりますし、逆質問もしやすくなります。随所で面接官やファームへの理解を示すことが、評価アップにもつながるでしょう。

ケース面接の可能性も考慮

ケース面接とは、コンサルとして仕事をする上で必要な「論理的思考力」や「問題解決能力」をクイックにチェックするための手法で、しばしば最終面接で実施されることもあります。通常の面接とはかなり異なるため、ケース面接に即して事前準備をしておくことが大切です。

▶ケース面接対策方法や代表的なパターンについてはこちら

コンサルの最終面接での頻出質問と回答例

筆者が何度か受けた最終面接の内容を基に、しばしば問われる質問と回答例をまとめました。

質問①最初はどんなプロジェクトに参画したいですか?

回答例:
「入社後の立ち上がりは、現職の経験を活かして金融業界の業務改革・DX支援といったテーマに関わりたいです。現職では、業務フローや事務作業に関して非効率を感じています。こうした課題意識を土台として金融業のクライアントと接することで、彼らが求めるソリューションを提供できると考えています。」

回答のポイント:
最初のアサインに関する質問は、面接の最終局面において頻出します。単に合否を判断するだけでなく、実際に入社後のチーム編成の参考にされます。気負ってしまい、取り繕ってしまいたくなるところですが、等身大で自分の意向を正直に伝えるのが得策です。そのためにはどのようなプロジェクトに入りたいかを、事前に明確化した上で面接に臨みましょう。

質問②コンサルとして何を成し遂げようと考えていますか?

回答例:
「クライアントの中に埋もれている本質的な課題を引き出し、解決策を提案できる人材になりたいです。私も現職で働いていて感じますが、現場社員だけでは、なかなか業務の非効率やリスクの原因を自力で検知できません。」
「コンサルタントとして客観的な目で状況を評価・分析して、能動的に解決策を提示し、クライアントの役に立つ人材となりたいです。やがて業界全体・社会全体の慣習やプロセスを一新して、事業環境を改革するような、影響力の大きなビジネスに取り組みたいと考えています。」

回答のポイント:
今後の長期ビジョンも、最終面接での頻出トピックです。目先のことだけでなく、長期的なビジョンに触れられると良いでしょう。一旦は上記程度の長さで端的に答えると良いですが「たとえば?」「具体的に」と追加の質問を受けやすいトピックでもあります。キャリアの方向性やインパクトをもたらす領域について、ビジョンを明確に用意しておきましょう。

質問③:自分の価値が頭打ちになるとしたら、それはどんな状況ですか?どうやってその状況を克服しますか?

回答例:
「現職の経験に頼りすぎ、新しい状況に対して柔軟に対応できないことがリスクだと思います。前提が曖昧なテーマや、従来の成功パターンが通用しないプロジェクトに直面したとき、自分の固定観念に気づかず、変化に追いつけない可能性があります。」
「プロジェクトに参画する中で、多様な異なる業界や領域、ミッションに触れ続けることを大切にしたいです。ファームのメンバーやクライアントともよくコミュニケーションを取り、考えや知識を常にアップデートしていきます。」

回答のポイント:
コンサルタントのほとんどは、成長に頭打ちを感じたり、苦労したりするタイミングがあります。面接官であるパートナーやディレクターは、そのような局面を乗り越えて長期で活躍できる人材を探しています。コンサルはそのキャリアを通じて多様な業種・領域に触れながら引き出しを増やしていく仕事です。そのような仕組みを追い風にするような回答が望ましいでしょう。

コンサルの最終面接での効果的な逆質問

コンサルの最終面接における逆質問は、以下のフレームワークに基づいて、バランス良く質問をすると良いでしょう。特に質問の時間が長い場合は①〜④を順番に聞くようにすると質問が途切れず、面接官とのキャッチボールが進みます。

①プロジェクト理解:現場のプロジェクトの理解と提供できる付加価値の探索
②キャリア/育成観: 成長環境や評価軸の把握と相性確認
③組織戦略/市場観:中長期的な方向性や価値観の把握
④カルチャーフィット/関係構築:共感や信頼を得るための質問

それぞれについて解説と質問の例をまとめました。

①プロジェクト理解:現場のプロジェクトの理解と提供できる付加価値の探索

そのコンサルティングファームの現在のプロジェクト内容、現場の仕事状況を理解することが目的の質問です。現場の状況を深く理解して、自分がどのような付加価値をもたらすことができるかを創造、整理する上で役立ちます。

「課題設定・課題解決の質を高めるために意識している点はありますか?」
「プロジェクトの初期フェーズで大切にしている手法や行動は何ですか?」

②キャリア/育成観: 成長環境や評価軸の把握と相性確認

コンサルタントの成長に対する、シニアメンバーの考え方や、期待される役割のポイントを理解するための質問です。自分がそのコンサルティングファームで成長していけるか、自分の強みと期待されるポイントがマッチしているかを把握することができます。

「期待される役割の変化は何かありますか?」
「若手のキャリアで壁となりがちな点や乗り越え方についてアドバイスをお願いします。」

③組織戦略/市場観:中長期的な方向性や価値観の把握

コンサルティングファームの組織戦略や、コンサル市場の変化について捉える質問です。実際に入社した後に、成果を出していく上で役立つヒントを得られます。

「今後、コンサルタントに求められるスキルやスタンスはどう変わるとお考えですか?」
「注力テーマや投資領域には、どんな背景がありますか?」

④カルチャーフィット/関係構築: 共感や信頼を得る

入社後の上司になるパートナーやディレクターの考え方や、これまでの経験を認識して、関係構築やコンサルティングファームとのカルチャーフィットをスムーズに進める上で役立つ質問です。

「ご自身が一番やりがいを感じた案件について教えていただけますか?」
「長く働かれている中で、このファームの好きな点は何ですか?」 

このような逆質問の中にはある程度つっこんだ内容のものもあると思います。その質問に対して面接官より返答をいただけると思いますので、まずは回答をもらえたことにに対してお礼を伝えましょう。その上で可能であれば、回答に対する追加の質問やご自身の考えを付け加え、お互いの理解を深められる会話ができると望ましいと言えます。
また、逆質問の内容によって得た回答はしっかりと忘れずに記憶をし、メモを残しておきましょう。

最終面接をコンサルとしてのキャリアのスタート地点に

人事権を持つパートナーやディレクタークラスが面接官となる最終面接は、単にその場を通過しようとするのは得策ではありません。入社後も長きにわたってお世話になる彼らとの関係を構築し、また入社後の働き方の考えをすり合わせる場でもあります。

すでに、コンサルとしての能力は序盤の面接で評価されています。そのため、最終面接では、ファームとのフィット感や意欲の高さを確認する機会です。単に合否を決めるだけでなく、入社後にどのように働いてもらうか、どんなキャリアを進んでもらうかをイメージする場でもあります。
ぜひ面接官に自分のキャリアビジョンやファームで成し遂げたいことを的確に伝えて、理想のコンサル人生を始められるように工夫しましょう。

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