「コンサルの料金」はどう決める?独立コンサルタントの報酬の決め方

「コンサルの料金」はどう決める?独立コンサルタントの報酬の決め方

独立コンサルタントにとって「報酬の決め方」は、キャリアと生活の両方に直結する非常に重要なテーマです。会社員時代は、給与や単価表、予算といった会社が用意した仕組みの中で働いていました。しかし、独立するとそれらの仕組みは存在せず、自分の価値を価格という形で市場に提示しなければなりません。特に独立初期は、次のような課題を抱えるケースが多く見受けられます。

  • 自分の知識やスキルを金額に変換する方法が分からない
  • 商談で金額提示するときに強気になれず、安く提示してしまう
  • 顧客からの「相場は?」という質問にうまく答えられない
  • 月額制・単発・レベニューシェアなどの料金体系をどう選ぶべきか分からない
  • 消費税・源泉徴収・経費・勘定科目など税務処理に不安がある


料金設計は「技術」でもあり、「哲学」でもあります。自分の価値を正しく評価し、継続的に提供できる形式へと翻訳する作業だと言えるでしょう。

本記事では、独立コンサルタントの料金に関する体系的な考え方から実務ベースの設計ノウハウまで網羅的に解説します。また、必要に応じて税理士や当社のような独立支援エージェントとの連携も非常に有効です。料金設定は一人で悩む必要はありません。正しい知識と伴走者がいれば、独立は再現性のあるキャリア領域になります。

個人事業主や独立した「コンサルの料金」の決め方が重要な理由

独立した瞬間から、「価格をどう決めるか」は避けて通れないステップになります。しかし多くの方は、前職の給料や周囲の相場を参考に料金を決めてしまいます。もちろんこれもひとつの方法ですが、それだけでは不十分です。
価格を設計する際は、以下の3つの観点が重要です。

①提供価値の言語化

まず、自分自身が提供できる価値を言語化することが第一歩です。たとえば「10年のPMO経験」「DX推進で売上〇%増を実現」「外資系経験有」などを、料金設定の根拠として明確にします。
料金を「他のコンサルタントと同じくらい」で設定してしまうと、差別化が弱くなり、価格競争に巻き込まれてしまいます。

②顧客納得と説明可能性

料金を提示した際に、クライアントへ「なぜその金額か」を説明できなければ、契約成立や継続が難しくなります。顧客は「この価格ならこの成果が期待できる」という感覚を持てることが重要です。

③継続可能な収益モデル

価格設定が低すぎると、実際に稼働するうちに時間ばかりが奪われ、利益が出ない構造になることがあります。逆に高すぎても案件を獲得できず、収益が途絶えてしまいます。適切な収益ラインを意識し、稼働日数・単価・固定費を逆算した設計が必要です。

また、料金設定が曖昧のままだと、以下のリスクを招きます。

  • 「安いから」と依頼された案件に振り回される
  • 過度な値引き要求への対応で疲弊する
  • 今後の単価交渉が不利になる
  • キャッシュフローが安定しないことで事業継続が困難になる

特に独立初期は、相場より低めに価格を提示しがちですが、
低すぎる価格は信用を損なうケースもある(=「この人に任せて本当に安心か?」と不安にさせる) ことを理解しておくべきです。料金決定は安さ競争ではなく、価値提示のプロセスです。そしてそのためには、料金体系と内訳を構造的に理解することが重要です。

「コンサルの料金」の種類

コンサルティングの報酬体系は、提供内容・責任範囲・成果の性質・顧客の意思決定スタイルによって多様です。
まずは、代表的な料金形態を整理してみましょう。

料金体系 

特徴 

向いている業務 

メリット 

デメリット 

顧問契約 

月額固定/時間・成果に限定されない 

経営助言、PMO、リスク管理 

安定収益/中長期関係 

上限が定めにくい 

時間契約 

時給/日給で稼働分を請求 

初期整理、プロジェクト立ち上げ 

わかりやすい/短期案件に強い 

稼働が増えるほど限界が来る 

成果報酬 

成果に応じて報酬決定 

営業支援、コスト削減 

顧客に提案しやすい 

ハイリスク/成果判断で揉めやすい 

プロジェクト単価 

業務範囲+期間で設定 

新規事業支援、DX構想策定 

予算確保しやすい 

作業増加時の調整が必要 

レベニューシェア 

売上を分配 

EC/共同事業 

成功すれば高収益 

成果まで時間が長い・ハイリスク 

たとえば、戦略策定フェーズはプロジェクト単価が合理的であり、経営アドバイザリーなど定例型の関与は顧問契約が向いています。営業・マーケティングなど成果が明確な領域は成果報酬が活きる場合もあります。

実例イメージ:

  • 月次顧問契約:月額50〜80万円(1回の定例MTG+随時質問対応など)
  • 集中型プロジェクト:月額80〜120万円(PMO・プロジェクト推進支援)
  • 成果報酬型:成果の5%〜15%を報酬(営業改善・集客施策など)

「コンサルの料金」の内訳

料金を設計する際、単に「時給」や「月額」で決めるのは危険です。なぜならコンサルティングには、見えないコストや準備工数、リスク要因が含まれているからです。
以下は、コンサル料金の主な構成要素です。

①稼働時間(工数)

実働時間が多ければ多い程、料金のベースにはなります。
ただし、コンサルタントは「稼働すればするほど収益が上がる」わけではありません。準備・営業・稼働外時間も含めて設計する必要があります。

②専門性・知的資産の価値

固定化されたノウハウ、過去実績、特定領域の経験は、料金にプレミアムをつける根拠になります。たとえば「5年以上の製造業DX実践」、「上場企業役員経験」などです。

③再現可能性・スケーラビリティ

同じ成果を再現できる構造があれば、料金を高く維持しやすいです。たとえば自分独自のフレームワークを使い、多くのクライアントに展開できるなら、時間売りから価値売りにシフトできます。

④営業・案件獲得コストおよび待機リスク

独立コンサルタントには案件がない期間や提案作成に費やす時間も存在します。これを見えづらくするのが料金設計失敗の一因です。

⑤経費・外注・ツール利用料

旅費交通費、クラウドツール、データ購入、専門外注などは請求価格に盛り込むか、別途精算するかを決める必要があります。

⑥税務・勘定科目・消費税

請求書の科目は「業務委託費」、「コンサルティング費」などが一般的です。さらに、個人コンサルに対しては源泉徴収(10.21%)が発生するケースがあるため、手取り視点での価格設計が重要です。

たとえば、以下のようなリスクが存在します。

  • 顧問型コンサル:実稼働は月8時間でも、バックグラウンド処理※は16時間発生する
    ※クライアントに直接請求できないが、案件遂行のために必要な裏方作業・準備時間
  • 成果報酬型:成果が出るまで半年無償になるリスクがある
  • 単発スポット:準備資料や事前打合せで半日以上取られることもある

「コンサルの料金」の決め方と算出方法

年収基準/稼働日数で計算する方法

STEP1:年間必要売上を決める(例:年収1,500万円)
STEP2:年間稼働日数を設定(例:週4日稼働=約192日)
STEP3:日単価を算出(1,500万 ÷ 192日 ≒ 7.8万円/日)
STEP4:顧客規模/リスク/役割に応じて補正
STEP5:月額に置き換えて明示(月80〜120万円が一般)
この方式は、フリーランスエンジニアなどにも活用される「稼働変換ベース」のモデルで、安定しています。

価値/成果ベースで評価する方法(コンサル向けの方法)

コンサルティングは「成果へのコミット」が求められる性質が強いため、

  • 顧客側でのコスト削減額
  • 売上増加予測
  • 意思決定の高速化による効果
など、金額で測れる効果の何%を報酬とするという設計も可能です。
たとえば:
  • 改善施策で年間 2,000万円の削減効果 → 10%を報酬として 200万円
  • 売上増加が年間1億円 → 3%の成功報酬で 300万円

リスクは増えますが、成功すると双方にメリットがあります。

報酬設計プロセスの実例:ケーススタディ:実務モデルで見る料金設計

<ケース1:月次定例型支援(顧問契約)>

  • スコープ:月2回の経営会議出席、資料レビュー、随時オンライン相談
  • 目標売上:年960万円(月80万円)
  • 想定稼働:月8時間+準備時間月12時間=月20時間
    → 時間価値換算:80万円 ÷ 20時間=4万円/時間
  • 付加価値要素:上場経験、事業責任者経験あり → 補正 ×1.3
    → 実質時間価値 ≒ 5.2万円/時間
    → 月額平均80万円を提示

<ケース2:3カ月プロジェクト型(戦略設計)>

  • スコープ:3カ月間、週2稼働(約24日)、成果物3件納品
  • 想定日数:24日
  • 目標売上:600万円
    → 日額:600万円 ÷ 24日=25万円/日
  • 補正:希少専門性+初回支援 → ×1.2
    → 実質日額 ≒ 30万円/日

<ケース3:成果報酬型(営業改善支援)>

  • スコープ:6カ月支援、年間売上増加5,000万円想定
  • 成果報酬:売上増加10% → 500万円+固定50万円
  • 支援期間:6カ月
    → 月額換算: (500万円+50万円) ÷ 6 ≒ 92万円/月

これらのケースを通じて理解できるのは、料金設計は単なる「1時間〇〇円」ではなく、「時間+価値+リスク」の三次元で設計するものだという点となります。

おわりに

今回紹介した独立コンサルタントの報酬設定は、単価の高低だけでなく、自分の価値をどう再現し、どう説明するかというコミュニケーション設計でもあります。そして最も重要なのは、その報酬が継続可能かどうかという視点です。また、専門家や支援サービスの活用も大きな助けになります:

  • 税理士:消費税・源泉徴収や経費計上のアドバイス
  • 公認会計士:契約の価値評価や報酬設計の助言
  • 当社のようなエージェント:相場感/契約支援/営業補助

報酬設計は、最初の3カ月だけで作るものではありません。定期的に見直し、自分の価値と市場ニーズを擦り合わせながら更新していく姿勢こそが、独立コンサルタントとしての安定したキャリアを支えます。

もし現職の環境ではこうした準備に十分に取り組むことが難しいと感じられている方がいらっしゃれば、そうした方の選択肢を広げることも、私たちエージェントの役割だと考えております。転職を前提とせずとも、情報収集やキャリアの棚卸しを通じて、将来の選択肢を整理される方も多くいらっしゃいます。どうぞお気軽にご相談ください。

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