経営企画の業務は入社1年目や新卒でも対応可能な仕事内容か?

経営企画部門で働くためには経営・経理全般の知識や業務スキルが必要である事から、ある程度の就業経験を積んでから経営企画部門に転職するパターンが考えられます。
一方で、新卒入社後1年目から経営企画部門に配属される場合や、入社2、3年目等、入社後あまり期間が経っていない場合においての異動も考えられるでしょう。
企業は社員が入社間もなくても伸びしろがあると判断できる場合、経営企画部門への配属を希望している場合、学生時代に経営や財務等の専門的知識を身に付けている場合であれば、彼らに対して経営企画配属への門戸を開く事もあるでしょう。
経営環境の急激な変化に早くから柔軟に対応できる人材を育てるために、若手を経営企画部門に配置する事もあるかもしれません。
今回は、入社1年目の社員にとって経営企画業務は難しいのか、さらに入社1年目の社員が経営企画部の配属される場合の主な業務や、経営企画部門に配属される場合のメリット・デメリットについて確認します。
Index
入社1年目から経営企画で業務をこなすのは難しいのか
入社1年目に経営企画部門へ配属となった場合、業務をこなしていく事は難しいのでしょうか。
優秀な人材を早期に経営幹部として育成したい場合や、年齢のバランスを考えて若手人材が欲しい場合など、1年目から経営企画部門へ配属される可能性は十分に考えられます。
また新卒の場合、どういったスキル・経験を持っていれば経営企画部業務が可能なのか確認していきましょう。
入社1年目からでも就業可能な理由
学生時代に学んだ事や前職の業務を通じ、一定のスキルや知識を習得していたり、公認会計士のような会計・ビジネス系資格を取得していたりすれば、入社1年目という立場であっても、即戦力として活動できる可能性があります。
そのような経営を学んでいない立場であっても、経営企画で重要なコミュニケーション能力や、調整力、分析力など、一定の秀でたスキルがあれば入社1年目でも十分対応可能です。
むしろ、長年自社のやり方に染まっていないために、フレッシュな視点で業務に対応する事ができ、結果的に全社の良いところ、悪いところを客観的に見る事ができるかもしれません。
通常は何年目・何歳ぐらいから可能なのか
経営企画部門へ配属される人材の社歴や年齢に関する客観的なデータがない上に、入社1年目からでも配属される事があるため、一概に線引きするのは難しいでしょう。
しかしながら、新卒入社後、主要な部門へのジョブローテーションを経て、社内の良い点・改善すべき点を把握しているという事を考えると、大卒後88〜10年目程度の、30代前半が想定されそうです。
一方で、優秀な人材は、希望する部署への配属が叶わなかった場合、転職も視野に入れる事になります。
そうならないように、一定期間の就業を経て、経営企画部門を志望する方がいれば、入社5年目など、もう少し早い段階での異動も考えられるでしょう。
経営企画1年目の主な業務とは
まず入社後すぐに、経営企画部門に配属された場合を想定してみます。
経営企画の諸先輩に教えてもらいながら業務をこなしていく必要がありますが、その場合においてどのような業務内容が考えられるのでしょうか。
社内重要会議の事務局
多くの企業において、取締役会や経営会議など、経営陣が参加する社内重要会議における事務局は、経営企画部門が務める事が比較的多いと考えられます。
事務局は、会議自体の進行以外にも、事前準備とともに事後の報告やフォローも行います。
事前準備は、各出席者のスケジュール調整や決定の案内、会議室の予約、アジェンダの作成や各部門から上がってくる会議用データの集計、会議書類の精査などが考えられます。
また紙の資料が必要な場合は印刷や配布をする事もあるでしょう。
事後作業としては、議事録の作成や、会議における積み残し課題の集計や管理、次回の議題の案内や開催日、開催方法の考案や開催場所の確保などが考えられます。
入社1年目において、全てを実施する事は難しいかもしれませんが、部門長やマネージャーなどの上長の支援を受けながら関わっていく事になります。
データ収集や分析、集計業務
経営陣から受けた依頼事項の対応を行う事も考えられます。
業務の難易度によってはメイン担当になる事も考えられますが、入社1年目の場合、しばらくの間は上長のサポートを受けながら業務を行う事も多いでしょう。
具体的には、市場調査のためのデータ収集や分析、各部門からあがってきた数値データの集計・分析業務などが考えられます。
作業が中心の場合、マニュアルが整備されていれば入社1年目であっても対応可能なものがあるかもしれません。
分析については、集計したデータから示唆を出していく事も求められるため、入社1年目においては一定のハードルはあるものの、得意分野であれば、アウトプットを任される事もあるかもしれません。
このような経営企画がまとめる資料は、経営の意思決定に重要な影響を及ぼす事になるため、集計間違いや分析結果に違和感がないように、上長とともに慎重に行っていく必要があります。
全社計画や予算策定サポート
データ収集や集計とも近い業務ですが、全社計画の立案や予算策定のサポートも考えられます。
各部門へのデータの提出依頼やデータの確認など、簡単な作業であれば入社1年目であっても任される可能性があります。
予算集計における整合性や正誤チェックは上長とともに行うとしても、予算データの入力や集計作業自体は、入社1年目の社員でも、一定の数値スキルがあれば任される事があるかもしれません。
また、全社計画や予算はどの企業においても経営企画を中心に進めるため、入社1年目から主体的に関わる事ができれば、今後のキャリア構築においても有利になります。
自ら計画や予算の一般的な考え方を学びつつ、上長からも業務を吸収していく姿勢が重要と言えます。
社長や経営陣のアシスタント業務
秘書がいる企業においては社長や経営陣からのアシスタント業務は秘書が対応する事となりますが、そうでない場合は、経営企画部が秘書的な役割を任される可能性があります。
簡単な買い物など等のおつかいは、難易度は高くはないものの、取引先に対する謝礼やスケジュール調整など、相手方を配慮する一定のスキルが必要となります。
中には特命事項として、他の社員には依頼しにくい業務が下りてくる可能性もあり、ミスがないように丁寧に対応する事も求められるでしょう。
入社1~2年目から経営企画に所属した場合のメリット・デメリット
入社後、早期に経営企画部門に配属される事になった場合のメリット・デメリットにどのようなものがあるのか具体的に確認してみましょう。
入社1~2年目から経営企画に所属する事によるメリット
最大のメリットは、若い時期から経営層の近くで働く事ができる点でしょう。
とりわけ、将来的に経営幹部を目指す方にとっては、早くから経営の考え方や仕事の仕方を身近で感じる事ができるのはこの上ないメリットです。
また、自社を取り巻く外部の環境がどのように変化しているのか、身近で知る事ができる点、業務を通じて早い段階から会社全体の事が理解できる点も魅力でしょう。
さらに、若手の段階から経営陣や各部門長とのやり取りが発生する事から、自分の業務内容や名前などが、社内で比較的認識してもらいやすい事が特徴です。
そのため、早い段階からコミュニケーションが各部門と取りやすくなり、業務も円滑に進める事ができる点も大きなメリットと言えるでしょう。
入社1~2年目から経営企画に所属する事によるデメリットや注意点
最大のデメリットは、若い時期から経営層の近くで働く事になるため、セールスやCS、事業部門など、顧客と接点をもつ現場との距離が非常に遠くなってしまう事です。
経営企画部門は、経営層に近い事から経営に関する業務が多い一方で、事業の状況や顧客と接する現場で行われている事が中々理解できず、事業部門との認識が乖離してしまう事があります。
若い時期から経営企画部門に就業していると、事業部門のメンバーから、「現場の事を認識していない、話がかみ合わないメンバー」と認識されてしまう可能性もあります。
またセールスや事業部門であれば、新卒社員や異動してきた社員、中途入社者など新メンバーに恵まれる事もありますが、どの企業でも少数精鋭である経営企画部門は、新たなメンバーの異動や入社が難しく、配属後数年経っても、後輩が入ってこない可能性があり、部下や後輩ができづらい事もあるでしょう。
そのため、セールスや事業部門に比べるとマネジメントスキルが身に付きづらい環境にあるかもしれません。
早期配属になったらメリットを上手く活用する事が重要
新卒後すぐに経営企画部門に配属になった場合には、紹介したメリットとデメリットの双方が想定されます。
ただし、デメリットについては、セールスや事業部門に在籍しないと解消できない場合もあるでしょう。
その場合は、経営企画側の論理を押し通すのではなく、事業理解に努めるべくセールスや事業部門にも寄り添う姿勢や、双方の折り合いをつけるための調整力が必要となります。
経営陣に近く、自社の経営に詳しくなるという経営企画部門の最大のメリットを活かしつつ、デメリットとなる点を少しでも解消できるように意識する事が大切でしょう。
経営企画に入社1年目に配属されたらデメリットを早期に解消する事が大切
新卒もしくは入社1年目で経営企画の業務は可能なのか、また経営企画部門に配属された場合の主な業務や、早期に配属される場合のメリット・デメリットなどを紹介しました。
入社1年目から経営企画部門に配属となった場合、経営に大きな影響を与える業務である事から、最初からこなすとなると一定のハードルはあるかもしれません。
しかし、身近で経営を学べる事、さらに企業を取り巻く経営環境も若手の頃から意識できる事は、今後のキャリアにつながる貴重な経験をとなります。
デメリットを少しでも解消しつつ、メリットを最大限活用しながらキャリアを構築していく事が大切です。
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今回の記事では、入社1年目に経営企画に配属された場合に知っておきたいポイントをお伝えしました。
キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。