デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 Engineeringユニット インタビュー/「高付加価値の構想フェーズ」に強みを持つ技術集団が描く、独自のテクノロジーコンサルティング

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 Engineeringユニット インタビュー/「高付加価値の構想フェーズ」に強みを持つ技術集団が描く、独自のテクノロジーコンサルティング

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、DTC)のEngineeringユニットは、単なるシステム開発にとどまらず、テクノロジーを活用したクライアントのビジネス変革を実現する組織です。約300名の専門家を擁し、クラウドストラテジーからマネージドサービスまで、幅広い領域でEnd to Endの支援を提供しています。デロイト トーマツ グループの強みを生かした他部門との協働により、高度な技術力と戦略的思考の双方を兼ね備えたサービスを展開しています。
今回は、Engineeringユニットの執行役員 森永直樹様、ディレクター 白藤記央様、コンサルタント 芳野温子様に、組織の特徴や強み、市場環境の変化への対応、人材育成の取り組みなどについてお話を伺いました。
※2025年2月時点での内容です

テクノロジー×ビジネス変革を追求する3人のプロフェッショナルが語るキャリアストーリー

小野
まずは皆さまのこれまでのキャリアについてお聞かせください。

森永様
前職では、IT系コンサルティング企業でシステムアーキテクトとして約15年間システム開発に従事してきました。その後、DTCには約10年前に入社しています。DTCではテクノロジーの部門に所属し、クラウド領域については日本における立ち上げから現在まで一貫して担当しています。

小野
DTCへの転職を決意された理由をお聞かせください。

森永様
当時、ITコンサルティング企業でシステム開発に携わる中で、クライアントのビジネスの大半がシステムで動いており、システム次第でビジネスが大きく変わることを実感していました。エンジニアこそが高い付加価値を生み出せると確信していましたが、日本のマーケットではエンジニアの評価が十分ではないことも同時に感じていました。当時からコンサルタントは付加価値の高い仕事として認識されていたので、エンジニアとコンサルタントのスキルを融合し、より高い価値を提供できる環境を作っていきたいと考え、DTCへの転職を決意しました。

小野
実際に入社されてみて、技術とビジネスの両面での期待は満たされましたか?

森永様
ええ、期待通りであったと感じています。入社後に気づいたこととして印象的であったのは、エンジニアの話し方や考え方は、経営層には必ずしも伝わりやすいものではないと実感したことでした。経営の議論に参加するためには、エンジニアの世界とは異なるコミュニケーション方法を身につける必要があります。エンジニアとしての変革実現力を維持しながら、経営との議論を推進することの両立は簡単ではないですが、とても挑戦的で楽しい環境であると感じます。

森永様

小野
白藤様はいかがでしょうか。

白藤様
私は新卒でベンチャー企業に入社し、新規サービスの企画からシステム開発、データセンターの立ち上げまで、一連の業務を経験しました。その後、ITコンサルティング会社と総合系コンサルティングファームを経て、現在に至ります。DTCでは森永さんのチームでクラウド関連の取り組みを推進しています。
もともとシステムの設計や開発が好きで、開発効率や保守性の向上に注力してきました。しかし、クライアントとの対話を通じて、システムをどのようにビジネス変革に活用できるのかという視点の重要性に気づきました。システムの使いやすさやメンテナンス性を追求するだけでは、真のビジネス変革は実現できないと痛感したのです。

小野
他のコンサルティングファームも経験されていますが、なぜデロイト トーマツ グループを選ばれたのでしょうか。

白藤様
私は以前、他社で特定チームの立ち上げに携わった経験があります。デロイト トーマツ グループは、インダストリーや経営コンサルティングの分野で着実に事業を成長させてきた実績があり、そうした専門家たちと協働することで、新たな化学反応が起きるのではないかという期待がありました。

実際に入社してみると、さまざまな分野で卓越した専門性を持つ人材が多く、そうした方々から学べることが非常に多いと感じています。これは他の監査系コンサルティングファームとは異なる、デロイト トーマツ グループならではの特徴だと考えています。

白藤様

小野
芳野様のキャリアについてもお聞かせください。

芳野様
私は前職ではメーカーの研究職でした。若手のうちから成長を実感でき、社会貢献も感じられる環境を求めてコンサルティング業界に転身しました。研究職では社内に閉じた仕事が中心でしたが、もっと社外や社会とつながる仕事がしたいと考え、コンサルタントの道を選びました。

小野
他のコンサルティングファームも検討されたのでしょうか。

芳野様
実は他のコンサルティングファームは受けていません。大きなキャリアチェンジだったので、入社後すぐにクライアントの前に立つことへの不安もありました。そのため、教育制度が充実していることを重視し、その点でデロイト トーマツ グループに魅力を感じて入社を決意しました。

芳野様

300名規模の技術集団が目指す「ビジネス変革のエンジン」

小野
御チームの規模や構成についてお聞かせください。

森永様
現在、約300名弱の組織となっています。トラディショナル職、いわゆるコンサルタントと、技術に特化したスペシャリスト職で構成されており、そのうちスペシャリスト職は20人弱です。組織としては7つのサブチームに分かれており、クラウド戦略を扱っているCS&A(Cloud Strategy & Architecture)から運用保守を扱っているCMS(Cloud Managed Services)まで、クラウド移行に関するサービスをEnd To Endで提供しています。

小野
7つのチームは固定的な枠組みなのでしょうか。

森永様
いえ、固定的な枠組みではありません。組織上の管理体制としてチーム分けは存在しますが、実質的には「どの分野に詳しい人材のグループか」というイメージでとらえていただくと良いかと思います。実際に、チーム内ではそれぞれの専門領域の勉強会が活発に行われている一方、プロジェクトを組成する際にはチーム間の壁は全くありません。

小野
チーム間の異動は可能なのでしょうか。

森永様
はい。異動は柔軟に行えますし、制度上の制約もありません。もちろん、あまりに頻繁に異動することはコンサルタントとしての専門性の観点から注意が必要になるので、きちんと個別に話し合った上で決定しています。

小野
チームの特徴や強みについてお聞かせください。

森永様
ユニット全体のコンセプトは「Be the ENGINE of a new future」です。私たちはSIだけを行うチームではありません。テクノロジーを活用してクライアントのビジネスをどのように変革していくかを主軸に据えています。
もちろん開発も行いますが、それを通じてクライアントのビジネスをどう変えていくか、変革のエンジンになることを目指しています。たとえば、プラットフォームアーキテクチャのチームでは、単なるアーキテクチャ設計だけでなく、プラットフォームの変革がクライアントのビジネスにもたらす意味や効果を含めた上流工程から一貫して携わっています。これが私たちの最大の強みです。

小野
デロイト トーマツ グループ内にはTechnology Strategy & Transformation(TS&T)という、CIOのTrusted Advisorとしてデジタルトランスフォーメーションを推進する組織もありますが、TS&Tとの違いについてもう少し具体的に教えていただけますか。

森永様
TS&Tはテクノロジー分野でも戦略寄りのアプローチを取っており、たとえばIT統制やIT組織改革などを中心としたアジェンダを得意としています。
一方、私たちのユニットは、より技術的な深さに強みを持つエンジニアが集まっています。具体的な実装技術と知識を持ちつつ上流工程から携わるため、End To Endの対応が可能になるとともに、戦略から実現までの期間を圧倒的に効率化できることを強みとしています。たとえば生成AIのような分野では、戦略策定と実現するテクノロジーをかなり密接に連動させながら議論を進める必要があるため、私たちの強みが発揮されやすい領域です。

小野
TS&Tとの協業はあるのでしょうか。

森永様
もちろんあります。たとえば、IT部門変革やIT部門内の業務改善をTS&Tが担当し、私たちはシステム化のロードマップ策定や次期システムの全体アーキテクチャ設計を行うような場合もあります。ただし、これは絶対的な区分けではありませんので、両者の強みを活かして柔軟に連携しています。

小野
TS&TとEngineeringユニットで、求められるスキル要件の違いについて詳しく教えていただけますか。

森永様
私たちのユニットでは、コンサルティングスキルに加えてクラウドテクノロジーに関する基礎スキルの習得を必須としており、たとえば新入職員研修ではAWSなどのクラウド資格取得を必須としています。
ただし、誤解していただきたくないのは、技術スキルは必要ですが、開発だけを行うわけではないということです。候補者の方にもよく説明するのですが、テクノロジースキルは必須ですが、それは開発のみを行うということではありません。技術的な知見を持った上でビジネスの議論ができる人材を育成することを目指しています。
その意味で、技術力とビジネス双方に関心を持ち、新しいテクノロジーのキャッチアップを継続的に行える方を求めています。これは確かに高いハードルかもしれませんが、このような人材だからこそできるコンサルティングがあると確信しています。

森永様

「不確実な経営課題の構造化」と「実行力」を両立し、戦略パートナーとしての地位を確立

小野
他社との違い、特に総合系コンサルティングファームにおけるITコンサルティング組織との違いについてお聞かせください。

森永様
私が多くの候補者の方々にお話ししているのは、確かに多くのコンサルティングファームがいわゆるEnd to Endでサービスを提供していると表明していますが、実は個人レベルでの関与の仕方は大きく異なっている、という点です。
会社全体がEnd to Endでサービスを提供していても、その中で部署が分かれており工程別に細かく分担されている場合、そこに関わる個人の観点からすると、やはり特定のフェーズしか関与できなくなることも多いかと思います。
私たちのビジネスにおいて特徴的な点は、システム開発のフェーズだけを切り離して担当するような役割分担を基本的に行わないことです。各チームには専門性があり、プラットフォームやマネージドサービスなど、それぞれの技術分野は確かにあります。しかし、それぞれのチームが技術的な実装だけでなく、それがクライアントのビジネスにどのような意味があるのか、という上流工程にも携わることを求めています。

小野
市場での立ち位置はどのようにお考えですか。

白藤様
市場におけるポジショニングを4象限で考えると、高付加価値と規模という軸があります。総合系コンサルティングファームのITコンサルティング組織の多くは、下流の実装フェーズでの大規模なビジネスボリュームを持っています。一方、私たちがフォーカスしているのは、高付加価値で難易度の高い領域、特に構想フェーズやPOCなど、実現方法自体が課題となるような案件です。
技術面での変遷を見ると、従来の総合系コンサルティングファームはテクノロジースキルが必ずしも高くなく、要件定義に課題がありました。近年はテクノロジースキルが向上していますが、逆に曖昧な要件を具体的な形にしていくスキルは低下している印象です。その点、私たちは技術力と構想力の両方を重視しています。
実際のプロジェクトでも、たとえば現在私が携わっているものでは、クラウド基盤の標準化ガイドラインを作成し、全社で活用できる形にした後、開発コストが重視される領域ではそこに特化したデロイト トーマツ グループの他法人に担当いただくというアプローチも併用しています。つまり、根幹となる部分は私たちDTCが担当しつつ、その後のスケールフェーズはデロイト トーマツ グループの開発子会社を主体とした体制を構築したり、適切な部署に引き継いだりと、柔軟に組み合わせています。 また、競合が発生するケースの多くは、現行システムの運用保守を担当している企業が、その知見を生かして上流工程に参画してくるパターンです。つまり、純粋な戦略フェーズでの競合は比較的少ないのが実態です。

森永様
他社では、「その業務全体を引き取って実行する」というアプローチを取られることも多い印象です。一方、私たちはテクノロジーへの深い理解と実装経験を持つ「最も信頼できるアドバイザー」というポジションを重視しつつ、クライアントにとって必要な場合はEnd to Endのサービスを提供するという形を取っています。

小野
DTCの戦略としてAIO(Advisory、Implement、Operate)を展開されていますが、この点についてお聞かせください。

森永様
これは大きく2つの観点からお話しさせていただきます。第一に、お客さまの視点からAIOを分離することが効果的ではなくなってきています。特に生成AIのような最新技術では、テクノロジーで「できること」を前提に議論しないと意味がありません。Advisoryだけを切り離して、技術選定は後で考えましょう、というアプローチが通用しなくなってきているのです。
第二の観点として、グローバルでのデロイトの立ち位置があります。日本ではまだあまり認識されていませんが、デロイトは日本以外のグローバル市場では大規模なSIビジネスを展開しています。たとえば、大手クラウドベンダーの海外イベントでトップパートナーとしてデロイトが登場するのは、このグローバルでのSIビジネスの実績があるためです。

白藤様
テクノロジースキルを持った上で、お客さまの曖昧な課題を形にできる能力が重要です。市場のニーズや技術は常に変化しますが、その中で漠然とした要件を方向付けし、具体的な形にしていく。そして、お客さまと一緒に進めていく中で、「このアプローチで良かった」と実感していただけるような進め方ができること。それが私たち一人ひとりの差別化ポイントです。

白藤様

森永様
最後に非常に重要な点として、私たちは監査法人を含むグループ全体で一体の経営を行っているという特徴があります。これは他社にない大きな強みです。監査業務においてはプロフェッショナルとしての独立性とクライアントとの長期的な信頼関係が極めて重要ですが、これはコンサルティングを含むデロイト トーマツ グループ全体で大切にしている価値観です。そのため、私たちは一時的な利益だけを追求するのではなく、経営層からの長期的な信頼関係の構築を何よりも重視しています。
実際、デロイト トーマツ グループはトップマネジメントとの関係構築において、特に強みを持っています。これは単なるシステム開発や個別のソリューション提供にとどまらない、より本質的なビジネスパートナーシップを築ける基盤となっています。その意味で、私たちは技術力とビジネス変革の双方を理解した上で、お客さまの真のパートナーとなることを目指しているのです。

生成AIからモダナイゼーションまで、多角的なテクノロジー領域で展開する次世代戦略

小野
市場環境と、その中でのユニットの構想についてお聞かせください。クラウドやモダナイゼーションの需要が高まっていると言われていますが、実際の状況はいかがでしょうか。

森永様
クラウド関連の市場は、大きく3つの領域に分かれています。

1つ目は、モダナイゼーションの領域です。すでに一度クラウド化を経験している企業は多く、単純なクラウドマイグレーションはかなり進んでいます。現在取り組まれているのは、より難易度の高い案件です。規模が大きい、あるいは複雑なシステムのモダナイゼーションが中心となっており、単純な「クラウドマイグレーション」では対応できないケースが増えています。このような案件では、グローバルを含む大規模な実績や高度な技術知見を持つ企業でないと対応が難しい状況であると考えています。

2つ目は、すでにクラウド化を進めている企業向けの、マルチクラウドコントロールの領域です。社内でクラウド活用が進む中で、さまざまなベンダーやソリューションが混在し、統制が効かなくなってきている企業が増えています。そのため、CCoE(クラウド・センター・オブ・エクセレンス)のような、全社的なガバナンス体制の構築支援へのニーズが高まっています。

3つ目は、トレンドでもある生成AI関連のデータ利活用です。従来のデータ分析とは異なり、生成AIを基幹システムや主要な業務にどのように適用するかが新たな課題となっています。

小野
そのような市場環境の中で、実際にどのような案件に取り組まれているのでしょうか?

白藤様
私が現在担当しているプロジェクトでは、大手企業の基幹系システム刷新に合わせて、全社的なデータプラットフォームの刷新を行っています。従来型のデータプラットフォームでは、データがさまざまな場所に散在してしまい、効果的な活用ができていないという課題がありました。
この課題に対して、最新のテクノロジーを活用したソリューションを提供しています。特徴的なのは、従来型の課題解決に加えて、海外でも事例の少ない最先端の技術を導入し、大規模なデータプラットフォームを構築している点です。
私たちの強みは、海外で出たばかりのテクノロジーを活用して、より効率的に目標を達成する方法を提案できることです。そのために、製品開発元の海外開発チームと直接コミュニケーションを取り、情報交換しながらサービスを提供しています。市場に出回っていないような情報もデロイトのグローバルネットワークを通じて収集できることが、私たちの大きな強みとなっています。

芳野様
私は現在、銀行の勘定システムの更改プロジェクトを担当しています。銀行にとって心臓部とも言えるシステムに携わることで、やりがいをもって業務に取り組んでいます。

森永様
また、最近の特徴的な案件として、AIの導入に関するリスクアセスメントのプロジェクトがあります。あるお客さまでは、AIを導入する際のリスク評価プロセスを、グループ会社全体に定着させたいというニーズがありました。
そこで、AIを推進する際のリスク特定から、そのリスクをどうミティゲーションするかというプロセス設計を行い、将来的にはそのプロセス自体もAIで判断できるような構想まで策定しました。現在、お客さまは海外拠点を含むグループ会社全体でこのプロセスの定着化を進めています。
このプロジェクトの特徴は、監査法人系ならではの強みを生かせた点です。リスクに対する考え方や法的な観点に精通したメンバーをプロジェクトに参画させることで、より包括的なソリューションを提供できました。

小野
御社にはどのような相談が多いのでしょうか。

森永様
先ほどの3つの領域それぞれについて、お客さまの状況に応じた相談を受けています。特に増加しているのは、生成AIの利活用に関する構想策定からの相談です。これはコンサルティングファームならではの案件と言えます。
従来の分析系プロジェクトであれば、どのようなデータを分析すれば何が分かるかはある程度予測できました。しかし、生成AIは適用してみないと具体的な効果が予測しづらい特徴があります。そのため、どの領域に適用し、どのようなプロセスで展開していくべきかという、より本質的な議論からのご相談を多くいただいています。

プロジェクトごとのベストチーム組成で、「テクノロジー×インダストリー×リスク」の総合力を発揮

小野
デロイト トーマツ グループのコラボレーションカルチャーについてお聞かせください。

森永様
当社の特徴的な点をお話しします。たとえば、クライアントプロジェクトを組成する際、インダストリー部門とテクノロジー部門が協働しますが、必ずしもインダストリー部門がリードし、Engineeringユニットがメンバーとして参加するという固定的な構造ではありません。
クライアントの課題に対して最適なチームを組成することを重視しており、私たちがリードしてインダストリー部門のメンバーに参加いただくこともあれば、その逆もあります。また、テクノロジーの専門性を持ちながら、クライアントのCxOの方々と直接対話してプロジェクトを組成できる環境があることは、他のコンサルティング会社とは異なる特徴だと考えています。

白藤様
私の経験から申し上げると、デロイト トーマツ グループは他社と比べて部門間の壁が最も低い企業だと感じています。たとえば、同じランクの職員が研修を受ける際、他の法人からも参加者が集まってグループワークを行いますが、その際の雰囲気が非常にオープンです。
他社では、コンサルタントは報酬体系も異なり、少し距離を感じることがありますが、デロイト トーマツ グループでは全員が対等に意見を交わせます。「うちの法人ではこうなのだけれど、コンサルティング部門ではどうなの?」といった率直な対話や、「コンサルティング部門と協働するにはどうしたらいい?」といった相談も日常的に行われています。
また、プロジェクトの提案時には、「この人を呼んでこよう」という発言が自然に出てくるような文化が根付いています。たとえば、私が以前担当したAIガバナンスのプロジェクトでは、国ごとに異なる個人情報保護制度に詳しい専門家をリスクアドバイザリー部門から招き、それが提案の強みとなった経験があります。

森永様
このような文化が根付いている背景には、監査法人を含むグループ経営という特徴が大きく影響していると考えています。たとえば、システム開発の分野でも、業務に詳しい人材は確かにいますが、会計の専門性となると監査法人に及ぶべくもありません。つまり、自分より詳しい専門家が必ずグループ内にいるという認識が自然と醸成されているのです。 この環境下では、独力で全てを完結させようとするのではなく、専門家の知見を積極的に取り入れることが、クライアントにとってより良い提案につながるという考えが全社的に共有されています。
グループ間の協働も非常にスムーズです。たとえば、マネジャーやシニアマネジャーへの昇格時研修では、グループ全体から参加者が集まりますが, そこには上下関係のような壁は感じられません。これは、他のコンサルティングファームとは異なる、デロイトならではの特徴だと考えています。

「技術とビジネス」の両面で活躍できる人材を生み出す、段階的な成長支援モデル

小野
チームの雰囲気や求める人材像についてお聞かせください。

森永様
中途入社の方は、テクノロジーバックグラウンドを持つ方が圧倒的に多いです。SIerの方、IT系コンサルタントの方、ユーザー企業のIT部門出身の方など、システム開発の経験を持つ方が中心です。
私たちのビジネスは、一人ひとりがEnd to Endで案件に携わることを重視しています。そのため、技術的なスキルをベースとしながら、ビジネススキルを身につけていただき、キャリアを積んでいただく形になります。
最も重視しているのは、テクノロジーそのものだけでなく、それをビジネスにどう生かすかということ、そしてそれをお客さまに訴求することに対する興味と関心です。たとえば、クラウドベンダーの資格を多数保有し、業界でも知名度の高いスペシャリストの方には、その専門性を生かして外部への知見発信や、お客さまへの専門的なアドバイスを行っていただいています。

小野
新卒や未経験からの入社について、芳野様はどのような経験をされましたか。

芳野様
研修はかなり充実していました。当ユニットの特徴として、IT系のスキルとコンサルティング系のスキル両方を習得する機会が数多く用意されています。また、実務でも管理職の方々が丁寧にフォローしてくださいます。
最初は経験がない状態でお客さまの前に立つことに不安もありましたが、SIerから転職された上司の方々は、ご自身もコンサルティングスキルを習得された経験があるため、その経験に基づいて適切な指導をしていただけました。
また、管理職になる前の職階が複数設定されており、一律な昇進ではなく、個々人の成長に応じた評価がなされます。これが若手のモチベーション向上にもつながっていると感じています。

芳野様

小野
若手の方々の特徴はいかがでしょうか。

芳野様
テクノロジーのバックグラウンドがない方もいますが、やる気があれば十分に活躍できる環境です。大手企業の特定業務に精通している方なども在籍しています。

森永様
特に新卒メンバーは、入社後にテクノロジーの学習を進めますが、中途入社の方のIT経験値と比べると差があるのは事実です。そのため、社内では中途入社の方から技術面でのサポートを受ける機会も多くあります。
中途採用者に期待するのは、システム開発の一連の工程を経験されていることです。何がどのタイミングで必要になるのかを実体験として理解されている方は、プロジェクト推進において非常に心強い存在です。
最も重要なのは、テクノロジーとビジネスの両方に興味を持ち、新しい技術のキャッチアップを続けながら上流工程にも携わっていける方です。これは決して容易なことではありませんが、そういった人材だからこそできるコンサルティングがあると確信しています。

森永直樹 様 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

IT系コンサルティング会社を経て現職。IT戦略立案、全社システム改革など多数の大規模プロジェクトに従事。システムアーキテクトとしての豊富な経験に基き、実行性の高いIT戦略立案・システム構想策定に強みを持つ。クラウドアーキテクチャ領域の責任者。

白藤記央 様 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

ITベンチャー、外資系ITコンサルティングファーム、総合コンサルティングファーム等を経て現職。業界を問わず企業のシステム導入案件に従事し、構想策定から導入・運用までEnd to Endでサービスを提供。

芳野温子 様 デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

2023年4月 DTC入社
~現在 銀行の勘定系システム更改プロジェクトに従事。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社

DTCは国際的なビジネスプロフェッショナルのネットワークであるDeloitte(デロイト)のメンバーで、日本ではデロイト トーマツ グループに属しています。DTCはデロイトの一員として日本のコンサルティングサービスを担い、デロイトおよびデロイト トーマツ グループで有する監査・税務・法務・コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリーの総合力と国際力を活かし、あらゆる組織・機能に対応したサービスとあらゆるセクターに対応したサービスで、提言と戦略立案から実行まで一貫して支援するファームです。4,000名規模のコンサルタントが、デロイトの各国現地事務所と連携して、世界中のリージョン、エリアに最適なサービスを提供できる体制を有しています。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社の求人情報

募集職種

Engineering(クラウド戦略策定/インテグレーション/アプリケーションモダナイゼーション)

職務内容

■ 採用背景
ハイパースケーラーの発展とともに、クラウドを活用することが当たり前の世の中になってきました。顧客のビジネス変革の成功には、クラウドテクノロジーの活用が必要不可欠になってきています。
一方、日本企業に目を向けると、クラウドを単なるオンプレミスのサーバーの代替としての利用しかしておらず、クラウド本来の持つ力を十分に引き出せていないケースが多く見受けられます。

このような日本企業の現状を変革すべく、Engineeringユニットは、クラウドを中心とした最先端のテクノロジーの力を最大限活用し、クライアントのビジネス変革を成功へ導くことを支援しています。

■ 業務内容
当ユニットでは、以下の7つのサービスを提供しています。

①迅速に変化するクライアントのビジネスの競争優位性の獲得に向け、クラウド活用戦略の策定、アーキテクチャー設計に加えクラウドを有効活用するための組織機能の立ち上げを支援する「Cloud Strategy & Architecture」。

②企業のビジネスエコシステム実現を支援するAPI活用の戦略立案から、プラットフォームのデザイン、構築を支援する「Platform Development & Integration」。

③ビジネス戦略を機動力高く実現するエンタープライズアプリケーションへのモダナイゼーション、データドリブンなビジネス基盤を構築するためのデータモダナイゼーションを支援する「Application & Data Modernization & Migration」。

④企業のテクノロジートランスフォーメーションにおけるクオリティを高めるためのテスト戦略策定とテスト実行の高度化を支援する「Quality Engineering」

⑤プロダクト活用によりシステム開発を省力化し、迅速にビジネス目的を実現していくための戦略策定および実行を支援する「Product Engineering & Development」

⑥企業の変革プログラムを成功に導くためのプログラムマネジメントの提供と、人・組織・メソドロジーの最適化を支援する「Service Delivery Optimization」

⑦マルチクラウド環境の構築・移行から運用・管理までを統合的に支援する「Cloud Managed Services」

応募要件

下記のいずれかに関する知見・経験を有する方を募集しています。

<クラウド戦略策定・アーキテクチャーデザインに関する知見・経験>
・各業界で、クライアントのビジネス・要件・要望を理解し、クラウドを用いたシステム全体像を描いた経験
・クラウドサービス(AWS、GCPなど)を活用したアーキテクチャー設計経験
・アプリケーションモダナイゼーションにおけるTo-Beアーキテクチャー設計経験

<プロジェクト管理/プログラム管理に関する知見・経験>
・大規模プロジェクトにおけるプロジェクト管理、もしくはプログラム管理に関する知見・経験(PMP有資格者優遇)
・プロジェクト管理方法論/システム開発方法論/プロジェクト管理ツール・品質管理ツールの導入経験
・テスト計画、テスト推進、テスト実行、品質保証の経験

<システム開発に関する知見・経験>
・業界別の業務アプリケーション開発経験
・クラウドネイティブアプリケーション開発経験
・アジャイル開発におけるスクラムマスター経験
・レガシーシステムのクラウドへの移行経験
・ローコードプラットフォームを活用した業務アプリケーションの設計・開発経験

<その他>
・新しいソリューションの開発や顧客価値を産み出す活動に積極的に参画し、世の中にない新しいものを生み出すマインドを持つ方
・多様なステークホルダーと積極的なコミュニケーションをとりながらクラウド領域および関連領域のデリバリーや受注に向けて能動的に動ける方

Brand ブランド紹介

アクシスコンサルティングでは、多様化するハイクラス人材のキャリアをワンストップでサポートしています。
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