ショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社 CEO 勝俣利光様 インタビュー/KPMG・クニエ創設の立役者が描く、原点回帰のピュアコンサル―全社員出資型ファームの挑戦に迫る

コンサルティング業界の黎明期から最前線で活躍してきた勝俣利光様。KPMGコンサルティング日本法人の立ち上げから、ベリングポイント、クニエと大手ファームの経営者として組織を先導した経験を経て、2023年、新たな一歩を踏み出しました。本質志向のピュアなコンサルティングを追求する独立系ファーム、ショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社の設立です。
同社は各分野の経験豊富な「マイスター」レベルのエース級コンサルタントが集まり、社員全員が株主となって経営者マインドを醸成。ピラミッド型ではなく「文鎮型」の組織構造で、変革の上流領域に特化した「王道のコンサル」を実践しています。
今回のインタビューでは、大手ファームが肥大化し二極化が進む業界において、コンサルティングの原点回帰を掲げる勝俣様の思いと、社会課題の難題にも真摯に向き合う新たなコンサルティングの姿について語っていただきました。
※2025年3月時点での内容です
Index
大手ファーム数社の立ち上げを主導して来た勝俣氏が目指す、本質志向のコンサルティング
遠藤
まずは、これまでのご経歴についてお聞かせください。
勝俣様
私がコンサルティング業界に入ったのは、KPMGコンサルティングの日本法人立ち上げのタイミングでした。
当時のメンバーはわずか8名。社長と部長はいずれも外国籍で、マネジャー3名、シニアコンサルタント3名という構成でした。実質的にはマネジャーが会社の仕組み作りからプロジェクト運営まで担っていたのです。若いうちから、コンサルタントとしての現場経験に加え、会社経営の中核に深く関わる機会を得られたことは、私にとって大きな糧になったと思います。
その後、KPMGに十数年在籍する中でパートナーに昇格し、やがてアーサー・アンダーセンとの国際的な統合プロジェクトに携わることになります。当時、アンダーセンはエンロン事件の影響により解体の方向にあり、KPMGとの統合が進められていました。その過程で、一時的にべリングポイントというコンサルティングファームが立ち上がることになったのです。
べリングポイントでは、KPMGとアンダーセンのそれぞれの制度や業務プロセスを統合し、新たな組織運営の仕組みを構築するキーとなる役割を担いました。あわせて、グローバルの方針転換により、従来のソリューションカットから、インダストリーカットへの転換が進められ、日本では私が先陣を切ってインダストリーチームを立ち上げました。
最初に担当したのはハイテク業界でしたが、その後、プロセス産業、流通、小売、商社、エネルギーなど、さまざまな業種のリーダーを歴任し、ソリューションチームと連携しながら、新規顧客の開拓にも取り組みました。
この時期には、複数ソリューションを組み合わせて提案からデリバリーまで一貫して提供する経験を重ねると共に、アンダーセンが有していた経営の仕組みやガバナンスも吸収でき、経営面での視座が大きく広がった実感があります。最終的に組織は約1,300名規模に拡大し、私は常務執行役員として全体を統括する立場となり、大手コンサル会社の経営に携わる貴重な経験ができたと感じています。
その後、ベリングポイントの解体に伴い、日本法人がPwCに売却されることになったタイミングで、私はKPMG、ベリングポイントの流れから身を引きました。そんな折、NTTグループから声がかかり、新たなコンサルティングファーム「クニエ」の設立を主導することになります。
クニエは、親会社がIT企業ということもあり、コンサルティングファームとしての仕組みや文化はまったく存在しないゼロからのスタート。だからこそ、制約のない環境で、自分が理想と考える“コンサルティングファームの型”を1から設計できたのは非常に貴重な機会でした。制度設計、ソリューション開発、他社からのリーダー招聘、新卒採用までを手がけ最終的に組織は1300名規模にまで成長。当初掲げていた「10年で1,000名」という目標も達成できました。
こうした経験を経て、自分の中で「理想のコンサルティングファームとは何か」が明確になっていったのです。そして、その理想を完全に自由なかたちで実現する場として、親会社や出資元の制約を持たない独立系ファームを、志ある仲間たちと共に立ち上げたのがショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社です。
二極化が進むコンサル業界。王道のコンサルをもう1度
遠藤
コンサルティング業界の黎明期から数多くの立ち上げに関わっていらっしゃいますが、勝俣様が考える“理想のコンサルティングファーム”とはどのようなものなのでしょうか。
勝俣様
私が考える理想のコンサルティングファームとは、課題の本質に向き合い価値を生み出すプロフェッショナルが集う場です。近年、コンサル業界ではどうしても大規模案件に偏重する傾向がありますが、プロジェクトの規模は小さくても、クライアントにとって本質的で、かつ難度の高い改革テーマはたくさんある。そうした案件に誠実に取り組むスタイルこそ、コンサルティングの“原点”であり“王道”だと思うのです。
もちろん、コンサルティングファームにはいろいろなタイプがあって良いと思いますし、私どもの目指す姿が唯一の正解だとは考えていません。ただ、ここ10年ほど業界の構造変化を見てきた中で、「コンサルをやりたい」と純粋な志を持って入ってきた人たちが、そうした思いを発揮しづらくなっていると感じる場面が増えましたね。
遠藤
なぜ、そうした変化が起こっているのでしょう。
勝俣様
コンサルティング業界の“二極化”が背景にあると考えています。
1つは、大手コンサルティングファームの肥大化です。かつてコンサルティングの中心だった戦略や組織・業務改革といった領域に加えて、クラウドやDXの浸透により、IT実装やBPOのような領域まで担うようになり、現在、IT業界を丸ごと取り込むような構造になっています。
これは技術進化に伴う自然な流れですが、結果としてプロジェクトの規模や売り上げが重視される傾向が強まり、ピュアなコンサルティングに本気で取り組みたい人たちが社内で主流になりにくくなっているのも事実です。
もう1つは、新興の独立系ファームの台頭です。若くして起業する方が増えており、それ自体は素晴らしい流れでもあります。ただその一方で、急成長を目指すあまり大量採用や派遣型のスタイルに寄ってしまい、コンサルタントとしての専門性や育成環境が十分でないケースも少なくありません。結果として、プロジェクトの中で「人を貸すビジネス」になってしまい、コンサルタントとして本質的な課題に深く関われない状況も見受けられます。
遠藤
ピュアなコンサルティングにこだわる御社ですが、どういった体制でチームを構成されているのでしょうか。
勝俣様
私どものファームでは、経験豊富なエース級のコンサルタントが「共同出資者」というかたちで集まっています。採用ではなく、“創業メンバー”として集い、共に会社をつくるというスタンスです。こうしたメンバーが管理者としてではなく、若手と一緒に現場に立ち、席を並べてプロジェクトを進めながら、知見や技術を直接伝えていく。だからこそ、若手にとっても密度の高い学びが得られ、早期に成長できる環境が整っているのです。
遠藤
具体的にどのようなテーマに取り組まれているのでしょうか。
勝俣様
たとえば、経営戦略、新規事業の立ち上げや事業再編、業務改革の構想と実行支援、アナリティクス/AI活用戦略、データドリブン経営に向けた基盤構築といったテーマに取り組んでいます。
ITの実装フェーズは、基本的に他社パートナーと連携して進める方針です。私ども自身は、クライアントの構想段階から寄り添い、変革の上流部分に深く入り込むことに特化しています。
遠藤
御社では、収益性だけでは測れないような“難度の高い事業”にも積極的に取り組まれている印象を受けますが、そうしたテーマに挑む背景には、どのようなお考えがあるのでしょうか。
勝俣様
一言で言えば、「社会にとって意味のある課題に取り組む」ことです。大企業の改革だけではなく、社会課題である少子高齢化や地方創生など、日本にとって本当に重要なテーマにも取り組みます。
こうした領域は、収益性の観点から大手ファームはなかなか踏み込みにくい分野であり、行政やNPOの手だけでは限界がある。だからこそ、私どものようなファームがプロフェッショナルとして支援することに大きな意義があると考えています。また、こうしたプロジェクトに携わること自体が、メンバーの「仕事への誇り」や「社会貢献実感」につながるのだと思います。
自己成長、高報酬…コンサル業界に広がる違和感から生まれた原点回帰
遠藤
「お客さまや社会を良くするために」という姿勢は、まさにコンサルティングの原点だと思います。その原点を改めて掲げようと考えられた背景にはどんな問題意識があったのでしょうか。
勝俣様
昨今のコンサル業界では、特に自己成長や高収入といった“自分ファースト”なメリットばかりに注目が集まりすぎており、その現状に違和感があります。もちろん、そうした成果が得られることもありますが、それはあくまでも結果であって、目的ではないはずです。
私にとって、コンサルという職業の本質は、本来「お客さまや社会を良くする」ためにあるもの。偽善ではなく、職業として当然の立ち位置であり、だからこそ、今一度その原点に立ち返る必要があると感じているのです。
遠藤
そうした現状の構造から距離を置くために、独立ファームというかたちを選ばれたのですね。
勝俣様
そうですね。多くのコンサルティングファームは親会社を持っており、そこからの意向や期待が事業運営に少なからず影響します。たとえば、親会社がIT企業であればIT領域を優先せざるを得ない場面も出てきますし、外資系であれば本国の戦略に従う必要がある。そうなると、個々のコンサルタントがピュアな思いで社会やお客さまの課題に向き合うことが難しくなってしまう。そういった構造から距離を置き、私どもの意思で事業の方向性を定め、コンサルティングの原点を追求したいと考えたのです。
遠藤
中長期の計画として、上場も目指されていると伺いました。ただ、上場すれば今度は株主の意向に応える必要も出てくるかと思いますが、その点はどのようにお考えですか。
勝俣様
確かに、上場すれば新たに株主の意向が生じるのは事実です。ただ、私どもにとって上場は「目的」ではなく「手段」。もともと上場は資金調達の手段として設計されたものですし、私どももグローバル展開に向けて一定の資本が必要になることは想定しています。ですから、必要な資金を安定して確保するための選択肢の1つとして捉えている、というのが正確なところです。
加えて、当社では社員全員が現物株を保有できる仕組みを整えています。よくある「持ち株会」のように間接的に株を持つのではなく、誰もが自分の名義で直接株を持てるようにしています。もちろん職位によって保有できる株数には違いがありますが、バックオフィスメンバーや新入社員、海外メンバーも含め全員が会社の株主として関われる、そんな組織作りを目指しています。
遠藤
とてもユニークな取り組みですね。そこに出資パートナーの存在も加わってくるかと思いますが、どのように捉えていらっしゃいますか。
勝俣様
現在、当社の筆頭株主は社員ですが、安定株主として住友商事様に、株式の20%をご出資いただくことが決まっています。ただし、私ども同社のグループ会社を目指しているわけではなく、あくまでも「安定株主」かつ「共にビジネスを作るパートナー」という位置づけです。
住友商事のような総合商社は、自らがハブとなってサプライチェーン全体を構築・強化していく存在です。そこに私どものコンサルティング機能が加わることで、住友グループのお客さまに対して、より高度なサービス提供が可能になります。
特に今回連携しているのは、住友商事のDX事業部。今後は同社、同グループのお客さま向けにDX戦略の立案や新規事業の立ち上げ支援などのテーマで、共同プロジェクトを進めていく予定です。
遠藤
「戦略×DX」という領域は、御社の中核テーマでもありますね。
勝俣様
そうですね。私どもの主力ソリューションの1つがDX戦略であり、売り上げ構成比としてかなり大きな割合を占めていくと考えています。
また、組織作りの面では、各領域のプロフェッショナルを積極的に招き入れます。たとえば、私自身が得意としてきたサプライチェーン領域では、KPMG以来の仲間や部下たちに声をかけチームを構築しています。会計領域についても、かつてアンダーセンやべリングポイントで活躍していた著名な会計チームのリーダーが参画しており、会計チームの立ち上げを担っていただいています。
戦略やM&Aの分野では、マッキンゼー出身の有力なコンサルタントがジョイン予定で、DX戦略チームのリードを任せる構想です。また、デロイト出身の実力者を迎えて戦略チームの立ち上げを進めています。
今後は、PwCやKPMGといった大手コンサルティングファームのリーダー経験者たちも加わる予定です。こうした各分野のリーダーは管理職としてだけではなく、実際に現場でプロジェクトをする「マイスター」として一線で活躍するプロフェッショナル集団としてチームを組成します。
社員全員が出資者になり「経営者マインド」を醸成
遠藤
御社は「全社員の出資による、社員のための会社」というユニークな体制を取られています。この組織形態を採用された背景と、狙いを教えてください。
勝俣様
私どもはベンチャー企業として、「会社を興す」くらいのマインドを全社員に持ってほしいと考えています。社員が出資する額は少額からで構いません。「自ら出資する」という行為が、社員を“当事者”に変える力を持っていると思うのです。
多くの大企業のサラリーマンは、どうしても「会社が何をしてくれるか」に期待しがちです。「これが足りない」「こうしてほしい」と、会社に対する要求が中心になる。しかし、出資している立場になると視点が変わるのです。「会社をどう守り、どう伸ばすか」を自然と考えるようになる。交渉の場でも、“上司と顧客のどちらが厳しいか”で判断するのではなく、「会社にとって何が正しいか」という軸で行動できるようになるのです。これはまさに経営者の視点です。
遠藤
「起業家マインド」を育む組織設計ですね。
勝俣様
その通りです。だから私は「10年で自分も起業できる会社」を掲げているのです。私自身、KPMG時代にマネジャーとして経営的な立場で仕事をした経験が、経営者マインドを育む大きな土台になりました。
集まってきている幹部メンバーも、出世欲というより“人を育てたい”という気持ちが強い人ばかりです。若手の方々は、リーダーとして育ち社内で活躍していただくも良し、将来的に独立してくださっても良し。そうした前提で、若手の教育にはかなり力を入れています。
遠藤
処遇面でも、かなりユニークな制度設計をされているとか。
勝俣様
はい。当社は利益率の高い“変革の上流領域”に特化しており、IT実装やBPOなどの労働集約的な領域は手がけていません。組織構造もピラミッド型ではなく、幹部層が少ない“文鎮型”にしています。これは、少数の幹部が多くの利益を報酬として持っていく構造ではなく、若手にしっかり報酬を還元できるようにするためです。
さらに、他社に比べて給与水準も高めに設定しています。優秀であれば、早期に年収1,000万、2,000万円といった水準を目指せる環境にします。それに加えて、株も保有できます。給与・賞与・株という3本柱で、社員の所得向上を実現したいと考えています。
一方で、幹部には主に給与ではなく“株主”としての立場で報酬を得ていただきます。給与を意図的に抑えているわけではありませんが、幹部にはむしろ株式というかたちで経営への責任を負っていただき、リターンを得ていただくという発想ですね。
遠藤
働き方はいかがですか。
勝俣様
創業フェーズだからこそ柔軟な制度設計が可能です。たとえば、在宅勤務や残業ゼロ、週休3日など、多様な働き方を選べるようにします。育児や介護、地方勤務など、ライフステージに合わせて働ける環境を整備したいと考えています。
これは途中から制度変更しようとしても、現場のリーダー側から反対が出て難しいものなのです。最初から「そういう制度のある会社」として設計しておくことで、働く人もマネジメントする側も、その前提で参画できる。だから創業の機会こそが導入チャンスなのです。
「本当にやりたかったコンサル」が見つかる受け皿に
遠藤
幹部クラスから若手まで、さまざまなバックグラウンドの方がジョインされているとのことですが、改めて、どういった方に仲間になってほしいとお考えですか。
勝俣様
まずお迎えしたいのは、実力と経験を兼ね備えたリーダー層の方々です。チームをゼロから立ち上げ、自らプロジェクトを動かしていきたい。そんな“現場感”を大事にしている方々と一緒にこれからの組織を作っていきたいと考えています。幹部候補のポジションはまだまだありますし、今後も多様な“マイスター”をお迎えしていきたいと思っています。
また、若手の方々にとっても、大きなチャンスがある会社だと思います。マイスターたちは皆、「タイトルにはこだわらない。シニアコンサルレベルの方でも自分が面倒を見る」と口をそろえてくださっていて、実際にその言葉通り、積極的に後進を育ててくださっています。実力さえあれば、ピラミッド型ではないフラットな組織でスピーディーに頭角を現せるのも大きな特長です。
遠藤
特にどんな課題意識を持つ方にとって「フィットする環境」なのでしょうか。
勝俣様
私どもの会社に共感してくださっている方の多くは、「もっと本質的なコンサルがしたい」と感じている人たちです。たとえば、大手コンサルティングファームではITプロジェクトに配属されることが多く、そこで何年も過ごすうちに、自分のスキルのタグが“IT専門”に固定されてしまうことがあります。また、お客さまの指示のもとで動く派遣型のスタイルだと、そのお客さまのスキルレベルの枠内でしか仕事ができず、コンサルタントとしての裁量や思考力を磨く機会が限られてしまう。
くり返しますが、本来コンサルティングは“課題そのもの”に向き合い、お客さまの未来を一緒につくる仕事です。私どものファームでは、そうした“手触り感”のある現場に立てる環境を整えています。プロジェクトの構想段階から関われ、戦略・業務・会計など多様な領域で自分の力を発揮できる。「これがやりたかった」と、入社してから本来のやりがいを取り戻している人も多くいます。
遠藤
若手にとっても「手応えのある成長環境」があるということですね。
勝俣様
はい。たとえば、外資系コンサルの新卒や中途で3~4年目前後の方など、もともと戦略や業務コンサルを志望していたのに、気づけばIT一辺倒になってしまった方。そのまま社内での異動が難しく、他の会社に移ってもまた同じようなIT案件にアサインされてしまう。そんな悩みを持つ方にとって、私どもの会社は新たな選択肢になれると思っています。
また、事業会社で経営企画や財務、物流、生産部門などにいた方も歓迎しています。いわゆる“コンサル未経験”でも、マイスターが直接指導し、早い段階で実践経験を積ませるので、コンサルとしてスムーズに育っていける環境です。実際に「事業会社の課長手前くらいのクラスを育てていこう」という話も幹部内で共有されています。
遠藤
では、スキル以外に「求める志」や「マインドセット」はありますか。
勝俣様
特にこの2~3年は、“創業メンバー”として参画してくださる方を求めています。全員にコンサルティング業務に取り組んでいただきますが、「自分がコンサルタントとして1番成長できる場所はどこか?」と考えたとき、私どもの環境がその答えになる、そんな会社を目指しています。
また、現在私どもは、まさに会社として走りだしたばかりで、オフィスすらまだまともに構えていません。しかし、だからこそ自分たちの手で会社をつくっていく面白さがある。先日、あるアメリカ人から「あなたたちの会社は、AppleやDellの創業期にそっくりだ」と言われたのが非常に印象的でした。ベンチャーならではの熱量を持って、一緒に汗をかきながら未来を築いていける、そんな仲間と出会えたらうれしいですね。
社会課題先進国・日本から、知見をグローバルに展開
遠藤
2025年4月には新卒30名が入社予定とのことですが、中長期の成長戦略をどのように描いていますか。
勝俣様
現在、上場を1つの通過点と見据え、7〜8年以内に社員1,000名規模の組織を目指しています。採用ペースとしては、年間100〜150名の純増を想定しています。退職者が多く出る体制ではなく、定着率の高いファームを志向しているので、「採用数=純増数」となるような成長を描いています。
新卒は来年以降は毎年50名程度の採用を見込んでおり、今年は設立初年度にも関わらず2024年新卒採用では、内定者の6割が東大・京大出身者で、非常に優秀な人材が集まりました。知的能力に加えて、リーダーシップや社交性、創造性にも富んだ人が多いのが特徴で、ベンチャー企業ならではの環境がその魅力として伝わっているのだと思います。
遠藤
海外展開についても視野に入れていらっしゃいますか。
勝俣様
はい。日本は、いわば“課題先進国”です。企業も社会も他国に先んじて複雑で困難な問題に直面しています。だからこそ、私どもが日本で向き合い、乗り越えてきた知見やアプローチは、今後同様の課題に直面する海外の国々にもきっと役立つはずだと思うのです。
現地のパートナー企業と連携しながら、「日本ではこうした課題に、こう立ち向かった」という事例を届けていく。日本発のコンサルティングファームとして、グローバルにも価値を届けていきたいと考えています。
遠藤
今後のグローバル展開についての構想も教えていただけますか。
勝俣様
まずは東南アジアや中国など、日本企業の進出が多い地域から拠点を拡大します。そして、北米・ヨーロッパも重点的に進めていく予定です。実際、北米にはアジア以上に日系企業が多く、コンサルティング需要も非常に高いため、早い段階で注力したいと考えています。
ただし、いきなり大規模な展開を狙うのではなく、小さな拠点を1つずつ着実に立ち上げ、現地で力をつけて拡大していく方針です。欧米では現地ファームとの提携や合弁、場合によっては買収も視野に入れています。また、将来的にはインドやアフリカといった新興国にも挑戦したいと考えています。こうした地域は物価が低く利益率の観点では難易度もありますが、社会的意義のあるチャレンジだと思っています。
最終的に、日本では2,000名規模までの成長を想定しています。グローバルではその何倍かになりますが、ITの実装を行わない「真水」のコンサルティングに特化しているため、必要以上に人数を増やすつもりはありません。一人ひとりが価値あるコンサルタントとして成長し、世界中のクライアントに向けてインパクトを届けていく──。それが私どもの描く未来です。

KPMGコンサルティングの日本法人立ち上げに参画し、マネージングディレクターとしてERP・SCM部門を統括。その後、ベリングポイントでVP常務執行役員として製造・流通・サービス事業を統括。2009年QUNIEに入社しEVPとして同社の創業と拡大を主導。2023年ショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。
https://www.facebook.com/ktmt1043/

ショーリ・ストラテジー&コンサルティングは各方面から専門性の高いプロフェッショナルなコンサルタントが結集し、独自色を貫くために全社員が出資者となり、大手企業の出資も得て、社会貢献性の志の下、早期の上場とグローバル展開を目指しています。
日本企業や社会の先進性を高めるために、少数精鋭で大企業の難易度の高い改革テーマに取り組み、業界全体課題や社会課題に立ち向かっていく。
海外拠点においては日本での改革経験を元に、世界各国に拠点を配置し、現地の企業や現地の社会への貢献を目指しています。
公式ホームページ:https://shohri.com/

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。
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