EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 コンシューマーユニット インタビュー/コンシューマー業界の未来を信じて共に駆ける伴走者

人口減少、資材費高騰、経済安全保障。さまざまな制約の中でも消費者ニーズを羅針盤に飽くなき挑戦を続けるコンシューマー業界。その良き伴走者となり、どこまでも寄り添う覚悟で未来への可能性を切り開くために働くコンサルタントたち。EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EYSC)から、愚直なまでに「地に足の着いた活動」を楽しむメンバーにお越しいただきました。
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「絶対に伸びる面白い会社」に誘われて
高村
自己紹介を兼ねて、皆様のご経歴をお聞かせください。転職先としてEYを選ばれた決め手についてもお願いいたします。
渋川様
大学を出て都市銀行に勤め、2年ほど法人融資などを経験しました。それから知人の英語学校立ち上げを手伝い、そのとき出会った方とのご縁から、外資系コンサルティング会社で働くことになりました。ライフサイエンスとコンシューマーの世界で約20年、コンサルタントとしての経験を積み、EYSCへ移ってきたという流れです。
それまでは正直に言ってEYの存在を意識することもなかったのですが、私が最も信頼を置く人からの誘いに応え、「絶対に伸びる面白い会社」への転職を決めました。今はコンシューマー業界に特化したユニットのリーダーを務めています。
中原様
大学院で薬学の博士号を取り、製薬会社のR&D部門で化学者として主に新薬創製研究に従事していました。3年ほど経った頃、社内の提案制度を使って応募した新薬の研究企画が採用され、プロジェクトをリードする立場を務めました。その経験を通じて感じたのは、どんなに自信を持って研究した医薬品候補も、ビジネスとして成り立たない限りは世に出ないという厳しさです。そこからビジネスの世界に興味を引かれ、常にその最前線に立つコンサルティング業界というものがあることを知り、研究者からの転身を決めました。
当初はライフサイエンスのチームに所属していましたが、ふと自分が知らない業界のことを経験したくなり、コンシューマーユニットへの転属を希望しました。規制が厳しく医薬品開発への投資期間・上市が長期にわたる製薬業界とは異なり、消費財業界はトレンドに敏感で、常に新たな商品が日々市場に投入されては消えていきます。私の知る世界のいわば対極にある、未知の領域に惹かれました。健康や医療は私にとって軸となるテーマですが、大局観で見た際には、医薬業界が主に健康を害した後のケアを担うのに対して、コンシューマー業界であれば、日常のありふれたもので未病や予防に貢献できるという思いもありました。
楠様
新卒で外資系コンサルティング会社に入り、システム導入などのテクノロジー案件を担当しましたが、5年ほどして小さなNPO団体への転職を決めました。もともと社会貢献活動には興味があって、非営利組織に無償でコンサルティングを提供する活動を続けていたのがきっかけです。企業から頂いた多額の寄付金を効果的に運用しつつ、組織・事業が立ち消えないように持続的な組織をどう作ればよいのか、仕組みを検討し進めていく仕事にコンサル時代の経験を生かせました。小さな組織でしたが、代表をサポートしながら組織を徐々に大きくして、軌道に乗せることに楽しさを感じていました。
その団体がある程度の規模に達したとき、もっと大きな組織だったら自分に何ができるだろう、そこには未知の領域がたくさんあるに違いないと思えてきて。どんな組織でも経営者の良きパートナーになれるよう修行に出ようと、この世界に戻ってきました。EYSCを選んだのは、面接のときにコンサルという厳しい環境の中でも人間らしさや働きやすさを感じられたからです。
時代の流れ、社会の動きとともに躍動する業界
高村
皆様が担当されているコンシューマー業界について教えてください。最近のマーケットの状況はいかがですか。
渋川様
我々がカバーしている領域はとても裾野が広く、大きく分けると、食品・飲料、調味料、化粧品、日用品などを中心としたプロダクト関連の消費財系と、百貨店やスーパー、コンビニ、外食店など小売・流通関連のリテール系があります。幅が広いので市況もさまざまですが、概して言えば下降気味。国内人口の減少で消費自体が減っていますし、その時々の景気の影響を受けやすいのがこの業界です。今は利益の確保に汲々として、海外に活路を求めたり、新規事業に期待をつないだりして工夫を凝らしているのが実状でしょう。
新規開拓の方向性としては、SDGsの流れを捉え、新たな収益源となるビジネスを模索している動きが1つ。加えて、ヘルス&ウェルネスの領域にも目が注がれています。心と身体の健康を同時に得ることに取り組むプレイヤーが増えているようです。
高村
そうした情勢の中、象徴的なプロジェクトとしてはどのようなものが挙げられますか。
中原様
ますます海外市場が重要になる昨今、グローバル全体のビジネスを俯瞰したうえでの組織や人材マネジメントのあり方を見直し、再設計する案件が挙げられます。自社発の高品質な製品をグローバル展開していくときは、当然ながら、現地の文化・慣習、価値観、嗜好性、生活感といったものをよく理解していくことが、マネタイズと組織運営において極めて重要になります。
クライアントの文化や理念、ビジネスモデルに当然ながら影響する部分はありますが、我々としては、当地の事情に即したビジネスを展開できるように現地組織の由裁量に幅を持たせる一方で、親会社として徹底したい理念やルールについてマネジメントが効くような全体骨格と人材マネジメントにかかる仕組みをつくる、といった支援をしています。その過程ではもちろん、世界各地に拠点を置くEYグローバルネットワークとのチーム連携も重要になります。
高村
クライアントの課題への向き合い方として、心がけていることは?
楠様
お客様ご自身が認識されている課題、たとえば恒常的に抱えている問題や、今まさに案件として動いているテーマだけに話を閉じないように意識しています。社会状況を如実に反映する業界ですから、突然沸き上がる危機感や思いもよらない障壁というのが、経営レベルでも現場レベルでもよくあります。そういうものに対するアンテナを高く張り、むしろこちらから話題にしたり、働きかけたりするよう心がけています。
すると、役員や担当の方が新しい領域に関心を持ち始め、そこから話が広がるケースも少なくありません。自分が担当するプロジェクトに無関係なテーマでも、お客様との会議の終わりに少しだけ話をさせていただいて、次回のディスカッションでさらに深堀りしていくように、潜在的な課題を一緒に発掘していく姿勢が大切だと思います。
中原様
お客様が最終的にどこを目指して事業を進めているか、を常に念頭に置くよう心がけています。そして我々自身のパーパス(存在意義)にも則り、その解決策の延長線上に「より良い社会」はあるのか、と自問しながら日々の案件に向き合っています。EYのパーパスとは、「Building a better working world〜より良い社会の構築を目指して」。つまり、今、そして将来の世代も含めた社会課題と真摯に向き合うことです。もし、お客様の動きが本質的なゴールや社会的価値からずれていると感じた時には、臆さず指摘し議論をすることが大事なことだと思います。
「地に足の着いたコンサルティング」の底力
高村
クライアントから評価されていると思うこと、あるいは他社ファームとの差別化ポイントについてはいかがでしょうか。
渋川様
地に足の着いた提案をしてもらえる、というような言葉を割とよく掛けていただきます。たとえば他社とのジョイントベンチャーですとか大規模システム導入とか、そうした大型案件に酔うことなく、今ここで起こっている業務の課題を解き、無駄な動きを整理して、本当に役立つ改革に力を尽くす。我々はそういうチームです。いわば、正鵠を射るコンサルティング。そんなところが受け入れられているのかもしれません。
ここ2、3年、当社が特に力を入れてきたアカウントフォーカスの姿勢、つまり、どこまでもお客様に伴走し、本当に悩んでいる課題に的を絞って有効な手を打つ。そういう方針の表れでもあります。
中原様
「うちの会社のことを社員よりも分かっているね」とか、「そろそろここにも中原さんのデスクを置こうか」などと言っていただけることがあります。次から次へと移り変わる状況と、それに即した課題に常に神経を集中して、必要な支援を探っていく。それはとても地道な努力と根気を要することです。私も入社前、誰もが感嘆の声を上げるほどスマートなプレゼンをして、羨望の目を集める。そんな勝手な印象をコンサルタントに抱いていましたが、まさに絵に描いた餅で、実態はもっと泥臭く忍耐力のいるものでした。
高村
他チームとの連携はEYの得意技という声も聞かれますが、その点はいかがですか。
渋川様
手前味噌な言い方になりますが、私が知る限り、EYSCのコラボレーションの徹底ぶりは別格だと思います。我々のように業界ごとに担当チームが分かれるセクター部門と、財務や人事やサプライチェーンといった機能別に分かれるコンピテンシー部門がありますが、この間の連携が、「地に足の着いた支援」の基盤であるのは間違いありません。
コンピテンシーの各チームとはほぼ2週に1度の割合で、クライアントごとの戦略について膝詰めの相談をしていますし、私の場合、お客様を訪問する際には必ずどこかのコンピテンシーの担当者と同行します。ですから、何か新しい提案を仕掛ける際にも、その顧客の状況について改めて説明する必要はなく、いつでも同じ土俵で話が詰められるのです。
高村
クライアントやプロジェクトの割り振り、キャリアの広げ方などはどのようにしているのですか。
中原様
各人のキャリアパスについては、ユニットとしての考え方や方針がきちんとあって、それを踏まえてアカウントの割り当てや仕事のアサインを決めています。もちろん、自分の得意なこと、好きなことだけやれるわけではないですが、本人の声に耳を傾けることを入口として、可能な限りキャリアとビジネスの方向性が合致するよう調整していることは確かです。
楠様
会社全体の制度としてキャリアカウンセリングの仕組みがありますが、コンシューマーは特にキャリアに対するカウンセラーとカウンセリーの姿勢が真摯だと思います。実は私のカウンセラーは中原さんで、だいたい毎月1度は話をして、自分が見えていない私の課題をズバリ指摘してくれます。自分はどんなキャリアを描き、そのためにここで何を培い、どんなことにチャレンジできるのか。そんな話の積み重ねから、チャンスが得られるのだと思います。
消費者とコンサルタント、両方の目で業界の未来を描く
高村
未来に向けたチームの課題と展望についてお聞かせください。
渋川様
私がEYに移ってきた数年前に比べて、チームの売上は約15倍に膨らみました。急成長を遂げることができたわけですが、人材の拡充がまだそれに追いついていない。これがまず課題の1つです。早急に組織体制を整えなければと思っています。
また同時に、会社自体も破竹の勢いで成長し、今まさに新しいステージに立とうとしている段階です。これまで以上に大きな仕事、厳しい仕事、やりがいのある仕事に向かうことになるでしょう。それに応えうるリソースと能力を備えなければと、気を引き締めているところです。
また、EY全体としてのパーパスとは別に、コンシューマー独自のパーパスとして「世界中の多様な価値観を持つすべての消費者が、豊かで素晴らしい日常を持続的に過ごすことができる世界を実現する」を我々は掲げています。日々の仕事に追われる中でもこの存在意義を忘れずに、どこまでも追求するチームであり続けたい。それがすなわち展望です。
高村
では最後に、コンシューマーコンサルティングの醍醐味を踏まえて、候補者の方々へのメッセージをお1人ずつお願いします。
楠様
コンシューマー業界は時代や消費者ニーズの変化に敏感であり、業態もさまざまで、常に新たなサービスを各社模索し、世の中に提供しています。そうしたフィールドの広さに惹かれて、私はこのチームに加わりました。ですから、毎日が新しく知ること、学ぶことの連続です。ある意味では大変なこの世界を、楽しいと思える方にぜひ来ていただけたらと願っています。
中原様
消費者目線に立ちやすく、コンサル目線にも立てる。それがこのコンシューマーユニットの最も面白いところです。このチームに来て、自分が普段何気なく使っているもの、食べているものにとても敏感になりました。コンビニの棚に並ぶ商品ラベルを見ると、実は全く異なるブランドを同じ企業が作っていたりする。正直、このユニットに来るまではそこまで意識したことはありませんでした。僕は眼鏡が好きでよく買い求めるのですが、そのメーカーの歴史や理念が気になって調べるようにもなりました。そんなことのすべてが面白い。だから、この業界のために働きたい。一緒に働く人たちにも、業界に対する自分なりの思い入れや、コンサルタントとしての使命感を持ってほしいと思っています。
渋川様
一般にコンシューマーというのは、他の業界に比べて極端に利益率の低い業界です。コンサルティングにかけられる予算も多くはないでしょう。それでも自分はコンシューマーのために働きたい、力を尽くしたいというコンサルタントは、よほどこの業界が好きか、もっと良くしたいと本気で考えている人だろうと思います。そういう人が仲間に欲しいです。
私自身について言えば、中原さんと同じで病気になる人を待つよりも、病気にならない人をつくるためにコンシューマーの領域を選びました。消費財にはそれができる。そのことを信じて十数年前からお客様にも言い続けて、ようやく最近、賛同していただける空気を感じ始めています。これはやりがいがある。面白い。だから、誰に何を言われてもへこたれない。そういう覚悟を持っています。どうでしょう、仲間に加わってみませんか。

ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社のConsumer Leaderとして、グローバル食品メーカー、飲料メーカー、ドラッグストア、その他リテール企業を中心に、M&Aおよびそれに伴うPMI、グローバルガバナンス、サプライチェーン整備など、数多くのプロジェクト経験を有する。
Life ScienceセクターのコンサルティングSub Leaderとして、ジェネリックメーカー、スペシャリティ、外資/内資大手製薬メーカーなどの企業において、業務オペレーション、成長戦略、海外参入、Sales & Marketing、人事、システム導入に携わるなど、数多くの実績を持つ。

薬学博士を取得して国内製薬企業にて新薬創製研究に従事した後、EYライフサイエンスユニットに参画し、製薬企業や医療機器メーカーを中心に支援。
消費者に最も身近な世界の支援を通じて健康・予防に関わる領域へ貢献したい思いから、コンシューマーユニットに異動し、主に食品/飲料メーカーを担当。
経営/事業戦略や組織・人事戦略の立案・実行、業務プロセス改革、規制対応等、様々なコンサルティングサービスを提供。

新卒で大手コンサルティング会社に入社後、システムやBPOの導入支援に多数従事。
企業内の社会貢献活動にも関与していたが、一念発起しNPO団体に転職後、団体代表の右腕として団体規模拡大を支援。
EYでは製薬業界、文具業界を担当し、主にシステム構想策定から導入までの支援に従事している。

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社は、戦略的なトランザクション支援を提供する「ストラテジー・アンド・トランザクション」と、変化の激しいデジタル時代にビジネスの変革を推進する「コンサルティング」の二つのサービスラインを擁するEY Japanのメンバーファームです。業種別の深い知見を有するセクターチームとともに両サービスラインがコラボレーションすることで、より高品質なサービスの提供を目指すとともに、社会に長期的価値を創出します。

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。
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募集職種 | ◆事業領域:消費財、小売流通業のクライアントをサポート ◆チームビジョン/パーパス:世界中の多様な価値観を持つ全ての消費者が、豊かで素晴らしい日常を持読的に過ごすことが出来る世界を実現します ◆対象領域:Consumerのマーケット全体を[CP]と[Retail]の2つの領域に分けています。 また、国内企業のみならず、外資系企業もターゲットにしています。 【PJ事例/直近の取り組み】 【競合差別化要素/組織の強味/強化エリア】 【Consumer Product & Retail ビジネスコンサルタントポジションについて】 【得られるスキル/キャリアパス】 |
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