株式会社ライズ・コンサルティング・グループ M&Iプラクティス インタビュー/製造業の「本質的変革」を実現する”深さ”のあるコンサルティング

株式会社ライズ・コンサルティング・グループのM&Iプラクティスは、Manufacturing & Innovationの名の通り、製造業の変革と新たな価値創造を支援する専門集団として、クライアントに寄り添った独自の支援を展開しています。同プラクティスは新規事業、サプライチェーンの2つのチームで構成され、事業創造からオペレーション改革まで幅広くカバーし、大手コンサルティングファームとは一線を画した「深さ」のあるアプローチと柔軟な支援体制で、クライアントの本質的な変革を実現しています。
今回は同プラクティスをリードされる常務執行役員パートナーの中司佳輔様と、パートナーの川上将史様に、キャリア形成やプロジェクト事例、組織の方向性、そして求める人材像についてお話を伺いました。
※2025年9月時点での内容です
Index
専門性深化と領域拡大を可能にする柔軟な環境
高嶋
まずお二方のご経歴や、御社に参画した理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
中司様
私は、新卒でアーサー・ディ・リトルに入社し、まず東京オフィスに8年間在籍しました。東京オフィスでは主に製造業、特に半導体などB to Bの産業を中心に担当していましたが、そこでの経験を積むうちにグローバルな環境で働きたいという思いが強くなり、9年目にシンガポールオフィスに転籍しました。当時のシンガポールオフィスは一から立ち上げるフェーズで、その立ち上げに参画して約3年半勤務し、東京に戻るタイミングでライズ・コンサルティング・グループに入社しました。現在は常務執行役員を務めており、M&IプラクティスとGXプラクティスの2つの領域を統括しています。
高嶋
中司様のご経歴ですと、他にもオファーがあったと思いますが、迷わずに御社を選ばれたのですか。
中司様
デジタル系に強い大手ファームなどからもオファーがありました。今思えば、転職した6年前は、デジタル化やDXが日本において強いキーワードとして取り上げられていたので、DX推進を軸にキャリアを描くならその選択もありましたね。最終的にはデジタル領域を深めるか、スタートアップ的な環境で組織作りに関わるかで悩み、ライズ・コンサルティング・グループを選びました。
高嶋
実際にご入社されて、どうでしょうか。
中司様
一例として、当社は組織観点の制約を気にせずチャレンジする上で非常に良い会社です。他の外資系ファームでは産業領域の担当や、アカウントの担当が埋まっており組織的制約が強い側面がありますが、当社ではそのような制約が少なく、まだ産業もアカウントも一定程度自由に開拓できる領域が多く残っています。リソースや投資面では他ファームより弱い部分もありますが、自分のモチベーション次第でチームを組成して挑戦できる土壌があります。
高嶋
川上様もご経歴をお聞かせいただけますか?
川上様
私は新卒でアサヒビールに入社し、生産関連業務やプラントエンジニアリングを担当しました。その後アクセンチュアに転職し、素材エネルギー本部でインダストリーカットの組織に所属して、戦略からBPR、ITシステム導入まで幅広い経験を積み、2023年6月からライズ・コンサルティング・グループに参画しました。現在は、M&Iプラクティス内のサプライチェーン領域を担当するパートナーを務めています。
もともとアクセンチュアから転職するつもりはなかったのですが、上司の異動をきっかけに転職を検討し始めた際、ライズ・コンサルティング・グループから声を掛けてもらいました。カジュアル面談を通じて、ライズのカルチャーに共感できる点が多かったため参画を決めました。
高嶋
川上様はアクセンチュアから転職されて、業務的な違いや大手と中小の違いなど、実感されることはありましたか。
川上様
ポジティブな違いとしては、アクセンチュアでは組織が縦割りで、専門領域が明確に分かれていたことです。私の場合は調達・生産・保全保守が専門領域で、専門性を磨く意味では大きなメリットでした。一方で、ケイパビリティの幅を広げにくい面もありました。その点、ライズに入ってからは、サプライチェーン全体を広く見る機会が増え、経験が浅かった物流領域なども学びながら案件を担当できています。結果として、自分のケイパビリティの幅が広がったと実感しています。
M&Iプラクティス ― 製造業を支える新規事業、サプライチェーンの専門部隊 ―
高嶋
お二方が所属されているM&Iプラクティスの役割やミッション、組織体制についてお話いただけますか。
中司様
M&Iプラクティスでは、製造業という産業領域を対象としながら、イノベーションという観点から事業変革や事業組成を促進するプロジェクトを推進しています。ライズ全体の中でもランドマークとなるようなプロジェクトを多く手掛けているチームの1つです。
組織としては、大きく2つのサブプラクティスに分かれています。新しい事業を創出する「新規事業チーム」、既存の事業基盤を強固にする「サプライチェーン・オペレーション改革チーム」です。現在、この2つのチームで運営しています。
高嶋
チームごとに、現在何名ほど在籍されていますか。
中司様
全体で30名ほどです。新規事業チームとサプライチェーン・オペレーション改革チームそれぞれ15名程度といったイメージです。
高嶋
他ファームの製造業セクターとの差別化や、クライアントに選ばれている理由を教えてください。
中司様
まず、新規事業、サプライチェーン・オペレーション改革の2チームを有機的に連携させる総合力を強化している点が特徴です。事業組成、サプライチェーン基盤強化、コーポレートイシューを総合的に支援できる体制を目指しています。
選ばれる理由としてはいくつかありますが、大手ファームが大規模プロジェクトを志向する中、当社は特定部分の支援や難易度の高い部分への小規模での集中支援にもフレキシブルに対応できる点が大きいと思います。プラクティス所属のパートナー陣が予算決定権を持つため、規模が小さくてもクライアントの成長に貢献できると判断すれば積極的に取り組みます。この意思決定の仕組みの違いが大きく、クライアントにとって使いやすいファームとして評価いただいているのです。
“リバウンドさせない改革”を実現する伴走型支援のアプローチ
高嶋
川上様にもぜひお伺いできればと思うのですが、パートナーとしてクライアントに相対されている中で、直近の製造業のクライアントではどういった顧客課題が多いですか。
川上様
多くのクライアントにおいて、「自社内にアセットが残らない」点を課題視することが多くなってきたと感じます。たとえば、コンサルティング会社がプロジェクトを完遂しても、コンサルタントが撤退した後に解決した課題やその周辺にあった問題がリバウンドして本質的改革や価値につながらないケースは多いです。そのため「小規模でも自社の人材育成につながり、アセットが残る改革」を求める声が増えているのだと思います。
高嶋
他ファームとの差異や、御社としての強みは何だとお考えですか。
中司様
一般的なコンサルティングファームと当社の大きな違いは「深さ」だと思います。
通常のコンサルティングであれば、外部支援として窓口となるクライアント担当者とディスカッションしたり、資料を作成したりする形での価値提供になります。しかし、当社が現在支援しているある小売企業のプロジェクトでは、コンサルタントがクライアント企業の社内メンバーのように機能しています。
たとえば、経営会議に向けた提案を行う際に、「この案件を通すためには、まず部署内のA氏、B氏、別部署のC氏への根回しが必要だ」といった内部事情も把握した上で、その根回しの部分まで支援します。単なる資料作成だけでなく、社内の関係者を味方につけるところまでサポートすることで、これまでのコンサルティングファームとの違いを出し、プロジェクトを強力に推進できています。
高嶋
そのようなアプローチだと、会社のキーパーソンや意思決定の流れを把握しておく必要があると思いますが、プロジェクト前の準備期間を長く取られるなどの工夫をされているのですか。
中司様
先ほどの事例は昨年10月から支援を開始したものですが、約2カ月後には社内のチームの一員として認められ、「A氏(キーパーソン)に直接説明に行ってきて」と頼られるような関係性を築けています。必ずしも長期間の準備が必要というわけではなく、早い段階から深く入り込む技術や姿勢が重要です。
高嶋
ここまで伺ってきましたが、御社はスキルの幅が広がる環境だと思います。専門性を追求した2チームに加え、柔軟なイシューへの対応など、人材の成長にはうってつけですね。実際にスキルの幅を広げられた人材例はありますか。
川上様
当社のシニアマネージャーに、前職でSIerとして10年以上SAPの導入に専念していたサプライチェーンの専門家がいます。入社後、上流戦略領域の案件にもアサインしていますが、戦略案件ではメタ発想的思考が必要で、BPRではコミュニケーション能力、SIでは具体性と、それぞれ頭の使い方が異なるものです。SIから戦略への移行で苦労はありますが、確実な成長が見えており、今ではお客さまの戦略ニーズにも応えられるようになってきています。
高嶋
それは他ファームにはない高い介在価値を持った人材になり得ますね。
川上様
そうですね。プロジェクト内で起こる企業内の事情や抵抗勢力にも負けない、専門性・メタ思考のできる視座・コミュニケーション能力、そして粘り強さのある人材に成長してくれていると思います。
「事業創造」と「組織改革」の双輪でクライアントの持続的成長を支援
高嶋
今後のM&Iプラクティスの方向性や取り組みについてお聞かせください。
中司様
サプライチェーン領域は後ほど川上に話してもらうとして、事業組成・事業創造の観点では大きく2つの方向性があります。
1つ目は、企業が必ず対応しなければならない急速に迫る変化への実行力を持ったチーム組成です。たとえば自動車メーカーのEV化の波やAI活用などの避けられないアジェンダに対して、より強く実効性を持った形で推進していくチームを現在組成しています。
2つ目は事業創出を担うチームの制度化・運用設計です。これまではさまざまな事業企画を出して事業化を目指すオーソドックスな流れがありましたが、個々の事業規模が小さいため、組織的に進めなければ本業と比較して「やる意味があるのか」という議論に戻ってしまいます。新規事業を単なる成功事例にするだけでなく、それを組織に根付かせるところまでセットで考える必要があります。
つまり、単に事業の種を出すだけでなく、それが定着する組織作りをクライアントと一緒に仕掛けていくことに注力しています。
高嶋
サプライチェーン領域の方向性や取り組みについても教えてください。
川上様
現状として、日本企業のサプライチェーンは大きく遅れています。これまで日本企業は事業ポートフォリオの見直しやパーパス定義、新規事業創出などに注力してきましたが、「オペレーショナルエクセレンス」という概念が浸透していません。DXも目的化してしまい、業務改革の文脈で捉えられていないことは課題です。
需要予測技術を例にとると、1970年代の統計的手法から2015年頃には深層学習へと進化してきましたが、日本企業では一部の商品や領域での活用にとどまっています。アマゾンやウォルマートのような海外企業は人の介在を最小化する方針で技術導入が進んでいますが、日本企業は「人によるすり合わせ」の文化が根強く、この打破が大きな課題となっています。
これらに代表される多くの課題に対して取り組んでいくことが主な方向性になるでしょう。
「日本の製造業」の未来を担う、”危機感”と”使命感”を持った人材を求めて
高嶋
M&Iプラクティスではどのような人材を求めていますか。
中司様
将来的に自分のチームを持ちたい方に向いています。具体的には、蓄積したナレッジを部下に伝えチームを強化したい方、まだ存在していない領域を作りたい方に適しています。組織運営に近づく挑戦をしたい方はフィットするでしょう。
また、AI化で調査業務が減少する中、クライアントが気づいていない視点や「一家言」を持つ方も求めています。さらに、その考えを組織に定着させるため、組織のレバーに敏感で熱意を持って取り組める方だとより良いでしょう。すべての要素を備えたスーパーマンを求めているわけではありませんが、こうした志向をお持ちの方と働きたいと考えています。
高嶋
川上様は、サプライチェーンのチームではどのような方と働きたいですか。
川上様
まず思いを共有できる方を求めています。国内製造業の業績はよく見えますが、私どもは将来に危機感を持っており、この「ゆでガエル」状態の脱却に向けて、その危機感に共感できる方と働きたいです。福沢諭吉の「一年の便不便を論じて百歳の謀を誤るべからず」という言葉のように、短期的な目標だけでなく、中長期的に日本の製造業をどう導きたいかという強い思いを持つ方を歓迎します。
現在、サプライチェーンの全領域で人材を募集しています。調達、生産、物流、営業の専門家はもちろん、設計開発や設備保全の経験者も歓迎します。他ファームでは部門別の専門家育成が主流ですが、当社では部門横断で戦略からITまで幅広く経験できるため、スキルの幅を広げたい方に最適な環境です。
個を尊重し、共に成長する。ライフステージに合わせた柔軟な働き方
高嶋
M&Iプラクティスの働き方について、常駐頻度やリモートワークの状況を教えていただけますか。
中司様
比較的フレキシブルな働き方ができています。週5日常駐するメンバーはほとんどおらず、多くは週1〜2回の対面とリモートを組み合わせています。価値創出に必要な場合はクライアントオフィスにも伺いますが、それ以外は効率を重視してリモートワークも許容しています。
高嶋
最後に、本インタビューを読んだ方へのメッセージをお二方からいただけますか。
中司様
先ほど川上からも話がありましたように、製造業というインダストリーや日本という国に対して、私は危機意識を持っています。このままでは、次世代の人たちが働く場所が残っていかないのではないかという危機感です。シンガポールで働いていた時、技術革新の象徴であるソニーやホンダのルーツを持つ日本から来たことが、チームに受け入れられるきっかけになりました。20〜30年後、その時代に働く人たちは何を背景に自信を持てるのか?その危機感から、次世代に何かを残し、日本の成長に貢献したいと考えています。
ぜひ応募をご検討ください。
川上様
現在自らがアサインされているプロジェクトに対してモヤモヤしている方や、日本企業の将来に不安を感じている方、あるいは自身のキャリアに悩みを抱えている方など、さまざまな課題意識を持つ方々に、当社の門をたたいていただきたいと思います。当社ではカルチャーフィットが何より大切だと考えています。そのため、入社を前提とした選考のみならず、カジュアル面談も積極的に実施していますので、まずは気軽にコミュニケーションをとっていただければと思います。

アーサー・ディ・リトルの東京及びシンガポールオフィス勤務を経て、ライズ・コンサルティング・グループに参画。製造業、エネルギー、SI、通信、商社、不動産など多岐にわたる業界での新規事業立案及び実行支援に従事。新規事業戦略、海外展開戦略、技術戦略、中期経営計画等の戦略コンサルティング経験を多数有するほか、IoT/ロボティクス/CVC/スマートシティなどの最先端領域での寄稿/講演なども経験。また、直近ではグリーン・トランスフォーメーションにも注力しており、クライアント企業のグリーン戦略を上流から下流まで幅広く支援。当社においては、「Manufacturing & Innovation」及び「Green Transformation」において、リードの役割を担う。

ライズ・コンサルティング・グループ パートナー。大手酒類飲料メーカーでエンジニアとしてキャリアをスタート。アクセンチュアの ストラテジー& コンサルティング部門を経て、ライズ・コンサルティング・グループに参画。製造業を中心にサプライヤーマネジメントやサプライチェーンプランニング、ファクトリーオートメーション、販売管理などサプライチェーン全域における中長期戦略・構想策定や組織・業務改革、システム導入まで数多くの支援実績を有する。現在はManufacturing & Innovationプラクティスに所属し、SCM領域を管轄。

我々は「PRODUCE NEXT 〜しあわせな未来を、共に拓く。〜」のミッションのもと、「戦略の実行」と「成果の向上」に拘ったコンサルティングサービスを提供し、顧客企業の「次の未来の創造」に貢献し続けています。
新規事業、業務改革/IT等幅広いテーマに対して、AI,IoT,デジタル等最新技術に関連した コンサルティングサービスを多く行っており、
Hands-on Style, Scopeless, More than Reports, Professionalsといった独自のアプローチを駆使、顧客企業とワンチームになって戦略策定から実行までコミットするスタイルを特徴としています。
このような方針に共感した、外資/国内の有名コンサルティング会社の経験豊富なメンバーが続々と集結しており、結果として各自が切磋琢磨をして急成長できるようなエコシステムが実現されています。

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。
株式会社ライズ・コンサルティング・グループの求人情報
募集職種 | ビジネスコンサルタント(プラクティス:Manufacturing & Innovation領域) |
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職務内容 | 製造業全般、および新規事業の創出について重点的な支援活動を推進しています。 ◇今チャレンジしていること ◇プロジェクト事例 |
応募要件 | 【必要なスキル・経験】 【歓迎条件】 |