株式会社ローソンデジタルイノベーション 代表取締役社長 三木義之氏 インタビュー/「圧倒的な存在感」でローソンDXを動かすLDIの挑戦

株式会社ローソンデジタルイノベーション 代表取締役社長 三木義之氏 インタビュー/「圧倒的な存在感」でローソンDXを動かすLDIの挑戦

全国約1万5,000店舗、チェーン全店売上高約2.9兆円(2024年度)を誇るローソン。そのデジタル戦略の中核を担うのが、株式会社ローソンデジタルイノベーション(LDI)です。2,000万ダウンロードを超えるローソン公式アプリやAI発注システム『AI.CO』など、多様な案件において、企画から運用まで様々なフェーズで内製化に関与し、ローソンが掲げる「リアルテックコンビニエンス」を推進。LDI設立当初の50〜60名から、現在は120名超へと急成長を遂げており、組織としてひとつの成長ステージを迎えています。

今回は2025年3月に代表取締役社長に就任した三木義之さんに、LDIの役割と「圧倒的な存在感を放つ組織」への変革について伺いました。

原点は「プログラム言語オタク」のIT技術者。LDI社長就任へ

高嶋
まずは、三木さんのご経歴を教えていただけますか。

LDI三木さん
私はもともとITベンダー側でアプリケーション開発をしていました。当時はC言語などを使い、限られたメモリ環境の中で試行錯誤しながらプログラムを書いていたのです。その後、Javaが登場するとすぐに取り入れ、企業向けのサーバーシステム開発にも携わるようになりました。

当時から私はIT技術が好きで、新しい言語が出ると自宅でもすぐ試してみるほどの“言語オタク”。自作PCを3台並べて開発環境をつくり、ファンの音をウィンウィン響かせながらコードを書くという、まさに、趣味と仕事が一体化した生活を送っていました。

その後、「受託ではなく、自社の事業に直接貢献する仕事がしたい」と考えるようになり、製造業系メーカーのIT専門会社へ転職しました。そこでは、国内サプライチェーンのシステム導入や認証基盤などのアーキテクチャ設計に加え、約2000台のサーバーをグローバルに集約するデータセンター移転プロジェクトなど、大規模なインフラ案件も担当しました。

アプリケーション、アーキテクチャ、インフラの3領域すべてを経験しましたが、データセンターのマネジメントをしているとどうしても事業から距離があり、ビジネスの成長に直接関わりにくいと感じていたのです。世間では「ITがビジネスそのものを動かす時代」と言われ始めており、自分のITスキルで事業に貢献したいという思いが強くなっていきました。

ローソンは、お客さまとの距離が近く、ITがビジネスに直結している会社です。さらに、一定の規模がありながら、挑戦できる余地も大きい。そこに魅力を感じて、2015年にローソンへ入社しました。

高嶋
ローソンに入社し、ローソンデジタルイノベーション(以下、LDI)の社長に就任されるまでを教えてください。

LDI三木さん
入社後は主にシステム基盤やインフラ領域を担当し、ITインフラの責任者を務めました。その一方で、立ち上がったばかりのLDIとも関わりがあり、プロジェクトを一緒に進める機会もありました。

そうした中、2025年3月にLDIの代表取締役社長としてのご縁をいただくことができました。代表として、LDIをローソングループにおいて「圧倒的な存在感」を放つ組織に導いていくことが、私の使命だと考えています。

LDI三木さん

二本柱で支えるローソンの「リアルテックコンビニエンス」。「内から」のローソンIT部門と「外から」のLDI

高嶋
LDIとは、ローソングループ内ではどのような存在なのでしょうか。

LDI三木さん
LDIは、ローソンのデジタル領域を支える内製開発組織です。ローソンが持つ膨大なデータや情報をもとに、企画・構想から設計・開発、テスト、リリース、保守運用、サービスマネジメントなど様々なフェーズで、ローソンの「リアルテックコンビニエンス」の実現を担っています。

サービスをリリースして終わりではなく、運用の中から課題を見つけ、改善を繰り返していく。このようなサイクルを自分たちの中で回し、新しいサービスを描いて行けることが、LDIの最大の強みです。つまり、私たちは「システムのライフサイクルを一気通貫で内製化できる会社」を目指し、自らの手でローソンのデジタルを成長させていく存在ですね。

高嶋
グループ内にはローソンのIT部門もありますよね。その組織とのすみ分けについて教えていただけますか。

LDI三木さん
ローソンのIT部門は、ローソンの「情報システム部門」にあたる組織です。全国約1万5,000店舗(2025年9月現在)や支店、オフィスを支える基幹系システムやインフラの運用管理を担っており、ローソンの基幹ビジネスを支え、安定性と堅固性が最も重視される領域を担当しています。すべての基幹系システムをサポートしておりスピード感のある新しい取り組みには、どうしても対応が難しい場面もあります。

一方、LDIは“ローソングループのIT”を担う組織です。すべての基幹系システムをサポートする事業会社のIT部門とは異なり、お客さまに近い場所で、新しい挑戦をスピード感をもって実行できる。たとえスタートは10店舗の実証実験でも、成功すれば全国展開につながる。そんな大きなオポチュニティを、自分たちの手でつかみにいける環境です。

高嶋
まさに「リアルテックコンビニエンス」を実現するための両輪ですね。

LDI三木さん
そうですね。ローソンが掲げる「リアルテックコンビニエンス」は、リアル(店舗)とテクノロジー(デジタル)を融合し、お客さまに新しい価値体験を届けるという考え方です。もはやコンビニというリアルビジネスはITなしでは成立しません。LDIがデジタル化の推進役として極めて重要なポジションにあると感じています。そのためにも社員一人ひとりが主人公として輝き、果敢に挑戦をできる会社にしたいと考えています。

アプリ、データ、店舗体験、LDIが担うデジタル変革

高嶋
グループ内でのLDIの役割について理解が深まりました。ここからは、LDIが具体的にどのような領域を担い、どんな事業を展開しているのかをお聞かせいただけますか。

LDI三木さん
一番イメージして頂きやすいのは、皆さんが普段クーポンなどで使われているローソン公式スマホアプリです。このアプリはLDIが開発・運用を担当しており、すでに2,000万ダウンロード(2025年10月現在)を超える規模になっていますね。

また、スマホアプリ以外にも、店舗で実際に動くアプリケーションや店舗運営を支える情報分析の仕組みなど、さまざまなシステムを開発しています。たとえば、ウォークスルー決済導入店舗『Lawson Go』の決済機能アプリもLDIが担当しています。さらに、ローソンのデリバリーサービスなど、複数の外部サービスと連携するアプリケーションも私たちが手がけています。

高嶋
アプリだけでなく、店舗やオペレーションにも深く関わっているのですね。

LDI三木さん
そうなのです。中でも注力しているのが、AIを活用した発注シミュレーションの仕組みやそのデータの分析による利活用です。天候や過去の売上、新商品の投入タイミングなど、さまざまなデータをAIに学習させ、「おにぎりを何個並べれば最適か」「お弁当は何個仕入れるべきか」などを自動で算出します。こうした仕組みが算出した推奨数が適正化どうかなどの、データ分析やモニタリング業務も行っています。

高嶋
まさに、リアル店舗のDXですね。実際にお客さまや現場の変化も感じられますか。

LDI三木さん
はい。「未来のコンビニ」づくりも、私たちLDIの重要なミッションの1つです。お客さまや、店舗で働く人たちの体験を変える新しい仕組みを作るプロジェクトにも積極的に参画していて、一線で活躍している社員もいますね。エンジニアにとってやりがいのある環境だと思います。

LDI三木さん

安定と挑戦の両立。唯一無二の強みと組織拡大の課題

高嶋
ローソンという大きなプラットホームで、新しいITチャレンジができるのがLDIの魅力ですね。

LDI三木さん
そうですね。ローソンは全国に約1万5,000店舗を展開し、チェーン全店売上高は約2.9兆円(2024年度)です。そのスケールの中で、最先端のIT技術を活用して新しいチャレンジができるという環境こそがLDIの魅力ですね。

高嶋
LDIならではの強み、他社にない独自性というのはどこにあると感じますか。

LDI三木さん
私たちはローソングループの一員としてローソンのデータや蓄積された情報を最大限活用できる立場にあります。また、ベンダーやコンサルなど、大手パートナーと連携しながら、ローソンの新しいデジタル戦略を実現していく。ローソングループの一員として、彼らと同じテーブルで議論し、「どうすればローソンがもっと良くなるか」を共に考える。そういう“唯一無二のポジション”にいるのがLDIです。

バックにはローソングループ、さらにその先には三菱商事・KDDIという共同基盤(2024年8月以降、各50%)があり、安定した経営基盤の上で、リスクを恐れずに挑戦できます。この“安定と挑戦の両立”ができるのは、LDIならではだと思います。

一人ひとりが主人公として輝き、成長できるフィールドがある

高嶋
ここからは、LDIに転職された方が、入社後どのような成長を遂げられるのかをお聞かせいただけますか。

LDI三木さん
繰り返しになりますが、LDIは、社員一人ひとりが主人公として輝き、果敢に挑戦できる会社を目指しています。だからこそ、社員には“もっと長所を伸ばして”ほしい。自分の得意分野を磨き、IT技術を“使える力”として高めていくことで、個の存在感を発揮してほしいと思っています。

私たちLDIのフィールドには、その力を試し、さらに伸ばせるチャンスが無数にあります。扱うシステムの規模が大きく、関わる人も多い。その成長を支えるだけの土壌があります。新卒採用にも挑戦し始めたところですが、若い世代の力が、今後LDIをさらに強くしていくはずです。学び、挑戦し、ITスキルを磨く機会はいくらでもある。そんな”成長サイクル”を一緒に回していける仲間を増やしていきたいですね。

事業は社会インフラ、“マチ”を幸せにするDXと求める仲間

高嶋
LDIで働くことを通じて、社会全体にはどんな貢献ができるとお考えですか。

LDI三木さん
LDIは、最先端のIT技術でコンビニを中心としたローソングループという社会インフラを変革し、世の中を劇的に進化させる醍醐味を味わえる会社です。

これまでもローソングループは、変化に対応し、お客様のニーズに応える商品・サービスを創造することで、 「街の便利屋さん」から 「社会のインフラ」 へと進化してきました。これからも、人々の生活を支える “なくてはならない存在” として、 「マチのほっとステーション」 を目指して、さらに進化を続けていきます。

LDIは、「いつでも、どこでも、何でも」を実現するコンビニの便利さと、災害時でも止まらない信頼性の両輪を支えつつ、新たな付加価値を創造するために力を発揮することで、社会インフラとしてコンビニを中心としたローソングループの機能を維持・進化させる非常に大きな社会的意義を持っていると考えています。

高嶋
最後に、LDIとしてどんな方に仲間になってほしいか。転職を考える方にメッセージをお願いします。

LDI三木さん
私たちが求める人材像は、社会性の高い大規模な舞台で、最先端IT技術を駆使しながら、自己成長と社会変革を両立させる『テック・チェンジャー』です。
今のLDIは、まさに“過渡期”にあります。120名から200名へと人員拡大とともに事業成長を遂げようとする中で、まだ「余白」がある。大企業のように整いすぎた環境ではない分、一人ひとりが主役になれるチャンスがあります。1000人の組織では1000分の1かもしれませんが、100人の組織なら100分の1の存在感を発揮できる。
また、ローソンを支える中で蓄積してきた多彩かつ豊富なITノウハウは、今後のLDI発展に向けた大きな財産にもなっています。私たちLDIはこの知見を最大限に活用し、事業の可能性を広げていきます。「自分がLDIの未来をつくる」という気概で、道なき道を楽しめる方にこそ、今のLDIは最高のフィールドです。

ぜひ、これからのLDIを共に築いていきましょう。

三木義之さん 株式会社ローソンデジタルイノベーション

IT企業でアプリ開発を、その後製造業で基幹システムやインフラ構築を経験。2015年に株式会社ローソンへ入社し、システム共通基盤・デジタルインフラ領域を統括。2025年にLDI社長就任。ITストラテジストなどの専門的知見に加え、IT企業とユーザー企業双方の視点から、アプリからインフラまで幅広い経験を持つ。

株式会社ローソンデジタルイノベーション

LDIは2016年 1月に、ローソンの店舗システムを刷新するために戦略的に設立されたIT専門の会社です。
「私たちは”みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」というローソングループ理念のもと、『最新のテクノロジーとデータを利活用し、ローソングループの今と未来を創り、社会へ貢献する。』ことをパーパスに掲げています。
スマホアプリの開発、ITシステムのデータ分析業務など、ローソンのシステムの設計・開発、運用・保守業務を中心に、プロジェクト推進やデータ分析業務などを担い、高いIT専門技術を持ったスペシャリスト集団として、ローソングループの事業および社会へ貢献しています。

アクシスコンサルティング

アクシスコンサルティングは、コンサル業界に精通した転職エージェント。戦略コンサルやITコンサル。コンサルタントになりたい人や卒業したい人。多数サポートしてきました。信念は、”生涯のキャリアパートナー”。転職のその次まで見据えたキャリアプランをご提案します。

株式会社ローソンデジタルイノベーションの求人情報

募集職種

プロジェクトマネージャー

職務内容

ローソングループ各社のシステム/サービス開発プロジェクトにておいて、プロジェクトマネジメント業務を担当いただきます。
サービスの創造を通じて、リアルとネットを繋ぎ、リテール事業の新たな価値提案に共にチャレンジしていきたい方のご応募をお待ちしています。

応募要件

【必須要件】
・システム開発におけるPM経験(3年以上)
・ロジカルな考え方、問題発見・解決を行う優れたスキル
・複雑な内容を相手に合わせて説明できる高いコミュニケーション能力
・多数のステークホルダーと協力を行い、合意形成する能力
・結果にフォーカスし、自律して業務遂行できる能力
・新しい知識、技術を貪欲に吸収しようとするマインド

【任意要件】
・システム/サービスの要件定義/設計/開発・テスト/移行/保守/運用経験
・外注ベンダー管理経験
・アジャイル開発の経験
・同時期における複数プロジェクトのPM経験
・リテール関連システムの企画/設計/開発/保守/運用経験
・システム全体の総合的な知識(ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク)

Brand ブランド紹介

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