コンサルティングファームの在籍者数はどう変化している?2025年7月時点の最新データをもとに人材動向を分析

2025年3月から7月にかけて、コンサルティング業界では被保険者数(≒在籍者数)が大きく変動しています。とりわけ春以降に新卒社員の加入が反映された5月・6月の増加に対し、7月は一部で減少傾向も見られます。本記事では、最新データをもとに業界全体の採用・人材戦略の傾向を読み解きます。
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7月は調整局面に入り、採用拡大の一巡がうかがえる
ひと言でいうと、2025年7月の被保険者数は前月比で-214名(-0.3%)の微減となり、春の採用シーズンのピークを越えて、人員最適化フェーズに入った兆しが見られます。全体としては3月から7月の累計で+2,350名(+4.0%)の純増となっており、業界は引き続き拡大基調にあります。
業界データから見える4つのインサイト(2025年3月〜7月)
① 5月〜6月にかけては新卒入社の影響で大幅増加
- 総被保険者数は
3月:59,157名 → 6月:61,721名(+2,564名/+4.3%)
春に入社した新卒社員が5月〜6月にかけて社会保険に加入し、その影響が統計に反映されました。この時期の大幅な増加は、業界全体での人材投資の積極性を物語っています。
② 7月は調整局面、微減ながら一部企業で動きが顕著
- 7月の合計:61,507名(前月比 -214名)
- 一部企業では20〜40名規模の人員減も見られますが、これは人材配置の最適化や契約満了、異動調整など、運営上のサイクルによる可能性が高いです。
③ 増減の波は企業ごとの戦略による違いが反映
- 継続的に増員している企業もあれば、7月に入り一時的に減少した企業も存在します。
- これは業績や景況感というより、採用計画やプロジェクト状況に応じた調整と見るのが自然です。
④ 累計では+2,350名、引き続き拡大傾向を維持
- 3月:59,157名
→ 7月:61,507名
→ +2,350名(+4.0%)
年度前半の数値としては堅調で、新卒採用と中途採用を併せた人材戦略が業界全体に浸透していることが読み取れます。
FAQ(よくある質問)
Q1. 被保険者数とは何ですか?
→ 社会保険に加入している従業員数を指し、企業の在籍人員を定量的に把握する指標です。
Q2. なぜ5月〜6月にかけて大幅に増えるのですか?
→ 多くの企業が4月に新卒社員を受け入れ、保険加入は翌月〜翌々月に反映されるためです。
Q3. 7月の減少は業界の悪化を意味しますか?
→ いいえ。多くは定常的な調整であり、業績ではなく運用上の事情に起因すると考えられます。
→ プロジェクト需要と人材戦略の両面から、中長期では安定成長が見込まれています。
春の採用ラッシュを経て、夏は人材体制の見直し期間へ
2025年3月〜7月のデータを見ると、全体で2,000名超の純増という拡大基調が続いている一方、7月は一部で調整の兆しが見られました。
これは、急激な成長の次に訪れる「体制の再整理フェーズ」と読み取ることができます。
今後も四半期ごとの変動を定点観測しながら、採用・組織戦略の実態を把握していくことが重要です。