【多国籍組織×プロジェクトマネージャー育成】インバウンドプラットフォーム王伸氏が語る「また来たい、日本」を実現する挑戦

【多国籍組織×プロジェクトマネージャー育成】インバウンドプラットフォーム王伸氏が語る「また来たい、日本」を実現する挑戦

外国人が日本で安心して暮らし、訪れた人が「また来たい」と思える社会を――。そうした思いを掲げ、インバウンド領域で事業を展開するのがインバウンドプラットフォーム代表・王伸さん。

自身のバックグラウンドを起点に、訪日外国人が抱える課題を事業で解決しようと2018年に株式会社エアトリよりカーブアウトし、インバウンドプラットフォームとして事業を開始。多角化戦略やチームビルディングの工夫、コロナ禍での大胆な買収と成長の道のり、そして上場達成までのリアルな経験を語っていただきました。

また、多国籍メンバーと働くために重視している「尊重」と「適材適所」、プロジェクトマネージャーが「1人社長」として育つ環境など、同社の組織文化や成長機会についても紹介。キャリアの選択や成長に悩む方にとって、多くの学びと気づきを得られるインタビューです。

▼「インバウンドプラットフォーム採用ページはこちら 
https://www.inbound-platform.com/ 

ゲスト:王 伸 株式会社インバウンドプラットフォーム 代表取締役社長
慶應義塾大学卒業後、税理士法人で移転価格コンサルタントとしてのキャリアをスタート。その後、株式会社エアトリ(以下、エアトリ)取締役COOを経て、2018年にインバウンドプラットフォーム社長に就任し、2023年に同社IPOを実現。

モデレーター :藤澤専之介
RPA業務を自動化するテクノロジーの会社を2018年に立ち上げ、2022年にクラウドワークスにM&Aでイグジット。その後、子会社の社長やスタートアップの支援などを行い、現在はM&A支援に従事。

外国人の不安を解消し、多角化を図る ―インバウンド事業立ち上げの背景

藤澤
インバウンドプラットフォームを立ち上げられた経緯について教えてください。

王さん
私自身のバックグラウンドが中国で、周囲には外国人や帰国子女も多く、その中で、外国人が日本で感じている不安、不満に触れる機会が非常に多かったことが、事業のベースになりました。

もう1つ大きかったのはマクロ環境です。インバウンドが盛り上がり始めた2018年に会社を立ち上げたのですが、自分の強みを生かしつつ、社会課題も明確でき、環境的にも絶好のタイミングだったと思います。

藤澤
訪日外国人が日本で直面する課題とは、どのようなものなのでしょうか?

王さん
1番大きいものは、やはり「言語や文化の壁」です。日本に遊びに来る時も、生活する時も、さまざまな場面で不安や不便を感じています。そうした課題を解決したいという思いがありました。

藤澤
現在、事業を多角化されている理由についてもお聞かせください。

王さん
1つは「経営の安定性」です。一本足よりも複数の分野を持った方がリスクヘッジになります。もう1つは、外国人の方々が抱える課題は1つの事業だけで解決できるものではないという点です。

我々はモバイル通信サービスや移動関連サービスなど多様なサービスを展開していますが、本質的に行っていることは同じです。複数のサービスラインを持つことで、経営の効率化も図ることができる。結果的に「多角化」になっています。

「また来たい、日本」──外国人の不安を解消し、多文化組織で挑むインバウンドの未来

藤澤
会社のビジョンである「また来たい、日本」には、どのような思いが込められているのでしょうか?

王さん
現在、訪日外国人は毎月300万人超、日本に在住する外国籍の方も昨年末で376万人いらっしゃいます。しかし、受け入れのインフラはまだ十分に整っていない部分が多いと感じます。最初は日本に良い印象を持っていても、言語や文化の壁で不便さを感じ、残念な気持ちで帰国されるケースもあると思います。私たちがその課題を解消し、「日本は便利で素晴らしい」と感じていただければ、「また来たい」と思ってもらえる。その思いを込めて、このビジョンを掲げています。

藤澤
御社の事業には、共通する特徴があると伺いました。

王さん
全ての事業で、お客様との接点は基本的にインターネット上です。ホームページやアプリを通じてサービスを提供していますので、UIは必ず外国人フレンドリーに設計しています。また、社内に多言語対応のカスタマーサポート室を置き、母語での手厚いサポートを提供している点も共通です。サービス内容が異なっても「外国人にとってわかりやすく、安心して使える」体験を提供することを大事にしています。

藤澤
今後、特に注力していきたい領域についても教えてください。

王さん
これまで当社が展開してきたのは通信インフラや移動手段の予約といった「インフラ寄りのサービス」でした。ですが、訪日旅行の本丸とも言えるアクティビティやツアー領域にはまだ本格的に取り組むことができていません。今後は訪日外国人向けの「日本でできるアクティビティ」領域を強化していきたいと考えています。

藤澤
御社の組織体制についても伺えますでしょうか?

王さん
組織は大きく4つの事業部門に分かれています。

  • 事業推進室(全事業部を横断的に、マーケティング・プロジェクトマネージャー支援・システム開発を担うコア部門)
  • モバイルネットワーク事業部(通信サービスを担当)
  • ライフメディアテック事業部(交通や生活支援サービスを担当)
  • キャンピングカー事業部(キャンピングカー事業を担当)
その他に営業企画室や管理部門があり、全体を支えています。国籍は15か国ほどの多様な人材が集まっており、多文化な組織が私たちの強みの1つです。

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https://www.inbound-platform.com/ 

多国籍な職場で育む「尊重」と「適材適所」

藤澤
多国籍メンバーが集まる組織とのことですが、実際の職場環境についても教えていただけますか?

王さん
社内の共通言語は基本的に日本語にしています。やはり日本企業ですので「日本語を使いましょう」としていますが、日本語が流暢でなくても構いません。実際の現場では英語、フランス語、中国語、韓国語など、さまざまな言語が飛び交っています。

藤澤
異なるバックグラウンドの人材が集まる中で、重要視されていることはありますか?

王さん
一番大事にしているのは「お互いを尊重すること」です。文化や言語、性格の違いは当然あるので、そこを尊重する姿勢が欠かせません。また社内ルールとして、政治と宗教の話題は禁止しています。争いの火種になる可能性があるので、触れないようにしているのです。さらに、他国に対する悪口や野次も厳禁。自国の話題を冗談めかして話すのは構いませんが、他国のメンバーを揶揄するのは絶対に避けるようにしています。

藤澤
多国籍チームの中で、事業面ではどのように強みを発揮しているのでしょうか?

王さん
バックグラウンドによっては、得意・不得意が異なります。だからこそ、適材適所が重要なのです。自分の得意な部分はしっかりと活かして頑張り、不得意な部分は他のメンバーに助けてもらう。そのために積極的なコミュニケーションを取ることを推奨しています。そうすることで、個々の力が最大化され、組織としてのパフォーマンスも向上します。

藤澤
一緒に働きたいと思うのは、どのようなマインドを持った方でしょうか?

王さん
自分で考え抜いて、丁寧に形にできるような方と働きたいと考えています。


プロジェクトマネージャーが目指すのは「1人社長」レベル 

藤澤
御社だからこそ得られる経験やスキル、成長機会についても教えてください。

王さん
我々のプロジェクトマネージャーは、最終的には「1人社長」ができるレベルを目指してもらいます。これはジュニアの段階から教育しています。数字を見られること、UIを設計できること、デジタルマーケティングの理解、デザイン知識。さらに必要があれば採用にも自ら手を挙げる。そうした全般的なスキルを培い、サービスのオーナーとして責任を持ってもらいます。

もちろん最初から全てできるわけではないので、先輩や上司がサポートしながら併走します。また、部署横断的にサポートを受けられる環境も整っています。全般的な経験を積みながら、自分ならではのプロジェクトマネージャー像やマネジメント像を作ってほしいと思っています。 

藤澤
コンサル出身者が御社で活躍できる強みはどこにあると思いますか?

王さん
まず数値分析力とロジカルシンキングは大きな強みです。ただ、僕自身もそうだったので、反省も込めて言うと、数字を見ても「お金」としての実感が足りないケースが多いと感じます。実際にどれくらいのコストがかかり、どうやってお金を稼ぐのか。その手触り感をいち早く身につけることができれば、ベンチャーでも当社でも大いに活躍できると思います。

サービスオーナーとして成長できる環境

藤澤
インバウンドプラットフォームで働く魅力を改めて教えてください。

王さん
当社はプロジェクトマネージャーの方には、小さなサービスからでも必ずオーナーになってもらいます。その拡大にフルコミットしてもらう代わりに、成長機会やサポートは手厚く提供します。

弊社はインバウンド領域の会社ですが、英語や中国語は必須ではありません。もちろん話せると有利ですが、実際に話せないプロジェクトマネージャーや役員もいます。重要なのは、丁寧に仕事を進め、自分で考え抜く力。そうした姿勢さえあれば、新しい分野でも活躍できます。

「コンサルで培ったスキルを事業に生かしたい」「仕事の幅を広げたい」という方にとって、まさに最適な環境だと思います。

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王 伸様 株式会社インバウンドプラットフォーム 代表取締役社長

慶應義塾大学卒業後、税理士法人勤務や株式会社エアトリCOOを経て、2018年にインバウンドプラットフォーム社長に就任し、2023年に同社IPOを実現。

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